横浜港・護衛艦いずも艦上にて
さて、前回は元旦と言うことで海上自衛隊のネタはお休みとしましたので、今回が2017年二敗って最初の海上自衛隊ネタとなります。掲載しているのはいずも型護衛艦1番艦いずもの装備品。
今回掲載するのはAN/USC-42衛星通信アンテナです。撮影日は昨年の10月17日。AN/USC-42は以前にもこんごう型護衛艦3番艦「みょうこう」のものを掲載していますね。
このAN/USC-42アンテナはアメリカ海軍が構築している衛星通信システムに接続する為の衛星通信アンテナで、ヘリコプター搭載護衛艦やイージス護衛艦など艦隊の旗艦となり、米海軍と直接通信を行う必要がある艦を中心に搭載されています。
現在アメリカ海軍が使用しているのはMUOSという衛星通信システムで、このMUOSを介してデータリンクが行われています。現在主流のデータリンクシステムはリンク16ですね。
リンク16は通信にUHF帯の周波数を使用するため、艦に搭載した通信アンテナでは見通し線内での通信しかできません。その距離を延長し、遠距離の相手ともデータリンクを行う為に衛星による中継が行われています。
衛星との通信システムはS-TADIL Jと呼ばれる物であり、多元接続方式としては要求時割付多元接続方式を採用しています。この方式は発信局から通信要求があると一定周波数の中継器を割り当てて中継し、通信の終了後はまた空いた中継器で通信要求を待つという方式です。
海上自衛隊ではこんごう型護衛艦4番艦「ちょうかい」よりリンク16に対応しAN/USC-42の搭載を開始しました。1~3番艦も後の改修でリンク16に対応し、AN/USC-42に換装しています。
旧世代のヘリコプター搭載護衛艦であるはるな型護衛艦やしらね型護衛艦はこのAN/USC-42ではなくAN/WSC-3を搭載していました。ヘリコプター搭載護衛艦ではひゅうが型護衛艦が最初にAN/USC-42を搭載しています。
通常は死角をカバーするために2基のアンテナを搭載しており、護衛艦いずもには右舷側の前後に搭載されています。
後部のAN/USC-42アンテナ。トップの写真は前部のアンテナ。
艦内から撮影した前部AN/USC-42アンテナ。
・・・以上、三が日も終わりか・・・ぽっぽやがお送りしました。