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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 護衛艦いずも NORA-1/NORQ-1/NORA-7スーパーバード衛星通信用アンテナ

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横浜港・護衛艦いずもにて

一昨年10月17日に見学した海上自衛隊のいずも型護衛艦1番艦 DDH-183「いずも」の各種装備品を掲載しています。この時は観艦式の関連イベントとして艦艇広報が行われていました。

前回はAN/USC-42衛星通信アンテナを掲載しましたね。今回も衛星通信用のアンテナを掲載します。今回掲載するのはNORA-1/NORQ-1及びNORA-7。トップ画像はNORA-7です。

前回のAN/USC-42はアメリカ海軍の衛星通信システムに接続する為のアンテナ装置でしたが、今回掲載する3つのアンテナは何れも防衛省が構築している衛星通信システムに接続する為のものです。

防衛省はスカパーJSAT社の保有するスーパーバード衛星を介した通信を行っており、スーパーバードシリーズの内SUPERDIRD B2とSUPERBIRD Dが使用されています。

これらのアンテナは死角をカバーするためにそれぞれ2基搭載されており、つねにどちらかが衛星を自動で追尾しアンテナが向き合う状態となっています。

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海上自衛隊に衛星洋上データ通信が配備されたのは1990年で、最初に搭載された衛星通信アンテナが上の写真のNORA-1でした。護衛艦の他、補助艦艇等にも広く搭載されていますね。

NORA-1の搭載は1991年就役のあさぎり型護衛艦5番艦「はまぎり」から行われ、「はまぎり」よりも前に就役した護衛艦にも順次搭載されています。

使用周波数帯はXバンドで、SUPERBIRD B2衛星のXバンド中継器を介して通信を行います。SUPERBIRD B2にはXバンド中継器の他にKaバンド中継器とKuバンド中継器が搭載されていますね。

いずも型護衛艦では艦橋上部、マストの付け根の右舷寄りと第1煙突後部の左舷寄りに搭載されていますね。上の写真は艦橋上部にあるNORA-1。

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一方こちらはNORA-1の後に搭載されるようになったNORQ-1衛星通信アンテナ。このアンテナは大容量データ通信のニーズが高まった事により導入されました。

NORA-1はXバンドで送受信を行うアンテナでしたが、このNORQ-1はKuバンドを使用します。Xバンドとは8GHz~12GHzの帯域を指しますが、Kuバンドとは12GHz~18GHzの帯域を指しますね。

Kuバンドの特徴としては、Xバンドよりも通信帯域を大容量化しやすく、IPネットワークを使用可能という点があります。またKuバンド中継器を搭載した通信衛星は数多いですね。

そのためXバンド通信よりもカバーエリアは広くなっています。一方でXバンドよりも通信状況が天候に左右されやすく、妨害や諜報に比較的弱いという欠点もありますね。

艦によってNORA-1に隣接して設置されていたりバラバラに設置されていたりと様々ですが、いずも型護衛艦では前方右舷側のフラットと艦橋構造物の第2煙突左舷側側面に搭載されています。

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最後にNORA-7衛星通信アンテナ。前述の通りKuバンドは骨幹的な通信回線とするには信頼性が不足しているため、信頼性の高いXバンドでなおかつ大容量通信を行う為のアンテナとして導入されました。

このアンテナはNORA-1やNORQ-1の様にSUPERBIRD B2衛星を介した通信を行うのではなく、SUPERBIRD D衛星を使用します。SUPERBIRD DにはXバンド中継器とKuバンド中継器が搭載されていますね。

NORA-1もかなり大きなアンテナなのですが、NORA-7では更に大型化していますね。このNORA-7はひゅうが型護衛艦から搭載され、現在の所ひゅうが型といずも型に搭載されています。

いずも型護衛艦では艦橋構造物前方の飛行甲板上と艦橋構造物後方に搭載されています。


・・・以上、NORA-7は今回初撮影。鉄道員日記がお送りしました。

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