桂駐屯地にて
さて、前回まで11月5日に行われた陸上自衛隊桂駐屯地記念行事の様子を掲載していましたが、今回からは桂駐屯地で撮影した各種装備品を掲載していきます。
基本的に撮影順から掲載していくのですが、最初に撮影したのが1/2tトラックであり写真を整理するのが大変なので、今回は先にインパクトのあった装備品を掲載します。
今回掲載するのは携帯放射器1-1型。いわゆる火炎放射器で、施設科機材として陸上自衛隊が装備しています。火炎放射器を実際に見たことは今まで無かったので、展示されているのを見てびっくりしました。
この携帯放射器1-1型はアメリカ陸軍が使用していたM2型火炎放射器の改良型であり、一旦は調達が終了したものの、2008年からまた調達が再開されています。
M2型火炎放射器は1943年から使用が開始され、第二次大戦や朝鮮戦争、ベトナム戦争で使用されました。トーチカや塹壕、ジャングルなどを焼き払うシーンは映画やドキュメンタリーなどで見られますね。
かつては戦闘用として使用されていた火炎放射器ですが、射程が短く、また被弾時に爆発する危険性もあることから現在は工兵用器材として使用されていることが多くなっています。アメリカ陸軍では1978年にM2を退役させました。
構造としては、使用する隊員が背負ったタンクに燃焼剤と圧縮空気を入れ、ノズル先端で着火した燃焼剤を投射する事によって障害となる施設などを焼却します。
陸上自衛隊では創設時からM2型火炎放射器を供与されており、その後継として携帯放射器1-1型が開発されました。用途としては生物兵器や化学兵器による汚染への対応や立て籠もりテロなどを想定しているようですね。
また災害派遣でも使用されたことがあり、38豪雪での融雪作業や1962年のコレラ菌付着疑いの台湾産バナナ焼却作業などで使用されました。それらは映像で見ることも出来ますね。
写真の携帯放射器1-1型は2014年1月に製造されたもので、製造は石油鑿井機製作株式会社。
ノズル部分。前後にグリップがありそれぞれにスイッチがありますね。古いタイプの携帯放射器とは形状が異なるようです。投射距離はゲル化油を使用した場合最大で40m。普通油の場合は20m。
タンク部分。OD色の2つのタンクに燃焼剤が入っており、その後ろに圧縮空気の入ったタンクを固定するための環がありますね。燃焼剤を搭載した際の重量は31kg。
M2では燃焼剤にガソリンとタールを混合したゲル化油のみが使用されていましたが、携帯放射器1-1型では普通油も使用可能となっています。
最後に説明書き。
・・・以上、米軍も火炎放射器を一応使っている。鉄道員日記がお送りしました。