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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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陸上自衛隊 81式短距離地対空誘導弾(B)@桂駐屯地

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桂駐屯地にて

昨年11月5日に開催された陸上自衛隊桂駐屯地創立63周年記念行事。その際に撮影した陸上自衛隊の各種装備品を撮影順に掲載しています。今回掲載するのは81式短距離地対空誘導弾。

81式短距離地対空誘導弾は1981年に制式化された国産初の地対空ミサイルで、1982年から現在にかけて改良を重ねながら配備され続けています。略称はSAM-1、愛称はショートアローで、短SAMと呼ばれる事も多いですね。

当時の防衛庁技術研究本部では1968年から地対空ミサイルの開発を行っており、それをベースとして1971年から本格的に開発が始まり、1981年に制式化、1982年から配備が始まりました。

81式短距離地対空誘導弾の配備を行ったのは陸上自衛隊だけでなく、航空自衛隊も基地防空用として1983年から、海上自衛隊も1992年から2006年にかけて配備していました。

1つのシステムは3両の車両で構成されており、レーダーと射撃統制装置を搭載した車両が1両と発射装置を搭載した車両が2両となっています。ベース車両はどちらも73式大型トラックですね。

レーダーはフェイズドアレイアンテナを使用したパルスドップラーレーダーで、使用帯域はXバンド。またレーダー以外にも目視照準具を使用することができます。

ミサイルの誘導方式はプログラム誘導と赤外線誘導で、発射されたミサイルは事前にプログラムされた目標方向・距離まで自動で飛行した後、赤外線シーカーが作動し目標をロックオンします。

これによって撃ち放しが可能であり、複数目標への同時対処や連続射が可能となっていますね。また赤外線シーカーが作動するまではフレアなどの欺瞞装置の影響を受けないという特徴もあります。

バリエーションとしては初期型の81式短距離地対空誘導弾(A)の他に(B)と(C)があり、(B)は海上自衛隊向け、(C)は1995年から配備された改良型です。(C)ではアクティブレーダー誘導のミサイルが使用可能となったほか、自動飛行中のミサイルの飛翔コース補正などが行えるようになっていますね。

写真の81式短距離地対空誘導弾(B)は当初海上自衛隊に配備され、2006年以降に陸上自衛隊に移管された物と思われます。現在の配備部隊は姫路駐屯地に駐屯する第3高射特科大隊高射中隊です。

海上自衛隊では大湊地方隊大湊警備隊隷下の大湊陸警隊を1993年3月31日に廃止、代わりに大湊防空陸警隊を編成し81式短距離地対空誘導弾やスティンガーなどを配備していました。

しかし周辺情勢の変化などにより2006年4月3日に廃止、大湊陸警隊が再編されています。使用されていた装備品は陸上自衛隊または航空自衛隊に移管されたようですね。

なお陸上自衛隊では全ての師団に81式短距離地対空誘導弾の配備が完了しており、現在は後継装備として11式短距離地対空誘導弾が開発され配備が始まっています。

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別アングルから。ベース車両は73式大型トラックですが、重量増に対応するため後2軸がダブルタイヤとされ、発射装置を搭載した車両はアウトリガーも装備しています。射撃統制装置と発射装置は有線で接続されるようですね。

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発射機部分の拡大。発射機は片方に2発ずつ、最大4発を装填する事が可能です。

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発射機の先端部。シーカーを保護するためのカバーがあります。

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ミサイル本体。1発ずつコンテナに格納されています。ミサイルは全長2700mm、直径160mm、翼幅600mmで、弾頭重量は9kg。最大飛翔速度はマッハ2.4、有効射程は50~7000mとされていますね。

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後方から。車体の両側にコンテナを載せるためのラックが展開されているのが解ります。

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目視照準具。射撃統制装置が故障または被弾した際や、突然目標が現れた際などに使用されます。この目視照準具を使用すれば発射装置単体での使用が可能となりますね。

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訓練展示終了後、グラウンドに進入してきた81式短距離地対空誘導弾。

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コンテナを載せたラックを一旦降ろします。この後コンテナの上半分が隊員によって外されました。

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再びラックを上げ、コンテナを発射機の真下へ。左下の隊員が有線のリモコンで操作しているのが見えますね。

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発射機の真下にやってきたコンテナから誘導弾を持ち上げます。

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水平に戻し、前進させて発射機のレールに装填完了。

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隣で展示されていた03式中距離地対空誘導弾と。81式は師団隷下の防空部隊に、03式は方面隊隷下の防空部隊に配備されています。

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銘板。1991年5月東芝製。

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説明書き。


・・・以上、なんかフォントが怪しげだ。ef_end_63がお送りしました。

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