Quantcast
Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2912

海上自衛隊 護衛艦みょうこう AN/SPY-1D多機能レーダー

$
0
0
イメージ 1

護衛艦みょうこう艦上にて

一昨年7月27日に海上自衛隊舞基地で開催された舞地方隊サマーフェスタ。そこで撮影した海上自衛隊艦艇の装備品を撮影順に掲載しています。

現在は護衛艦「みょうこう」の装備品を掲載していますね。前回はAN/SPG-62でしたが、今回もレーダーネタ。イージス艦にとって外見的も内面的もとても重要なAN/SPY-1多機能レーダーです。

AN/SPY-1はイージスシステムの中核を担う艦載用多機能レーダーで、アメリカが開発したパッシブフェイズドアレイレーダーです。製造はロッキード・マーチン。

フェイズドアレイレーダーは固定式の板状アンテナに無数の位相変換素子を配置するレーダーで、素子それぞれがレーダーアンテナであり、全ての素子からの反応の集合を目標として捉えます。

アンテナ素子の位相を制御することで電波ビームの電子走査が行われており、パッシブ式は素子部分に位相器のみを内蔵しています。発振器や増幅器を含む場合はアクティブフェイズドアレイレーダーと呼ばれますね。

レーダー波の波長や照射方向をアンテナ素子ごとに制御でき、レーダーを機械的に回転させずに広いカバーエリアを確保しています。電気的な制御によりほぼ瞬時に全周を走査可能。

一方で全てのアンテナ素子を同時に制御する高速コンピューターシステムが必要であり、こんごう型護衛艦ではAN/UYK-43コンピューターが使用されています。

このAN/SPY-1には4350個のアンテナ素子が配置されており(小型化されたF型は1856個、更に小型化されたK型は921個)、動作周波数はSバンドとなっています。

AN/SPY-1には多数目標の同時捜索・追尾・評定、射撃管制、発射されたミサイルの追尾・中間指令誘導を行う機能が備えられており、単一の機種で複数の機能を備えることにより交戦が円滑化されました。

1973年に試作型の陸上試験が開始され、1974年に洋上試験が開始、1983年にミサイル巡洋艦「タイコンデロガ」が就役したことにより実戦配備されました。

以降今日まで様々な改良が行われています。こんごう型護衛艦に搭載されているのはAN/SPY-1Dであり、D型はB型を元に軽量化を行った駆逐艦向けモデルです。

こんごう型の次級のあたご型護衛艦では、天頂方向の捜索追尾能力が強化され沿岸戦環境に対応したタイプであるAN/SPY-1D(V)が搭載されました。

イメージ 2

右舷側前方のAN/SPY-1D。一番上の写真は左舷側前方のAN/SPY-1Dです。

イメージ 3

アンテナ表面。四角い模様が並んでいるのが解りますね。

イメージ 4

左舷側後方のAN/SPY-1D。

イメージ 5

右舷側後方のAN/SPY-1D。これらのアンテナは4面で全周をカバーし、03・04甲板レベルに設置されています。

イメージ 6

最後に説明書き。


・・・以上、意外とあっさり書けた。鉄道員日記がお送りしました。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2912

Trending Articles