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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 護衛艦ふゆづき NOLQ-3D 電波探知妨害装置

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舞港にて

海上自衛隊舞基地で撮影したあきづき型護衛艦4番艦「ふゆづき」の装備品を掲載しています。前回に続いて今回も電子系の装備です。

撮影は2014年の7月25日と27日で、25日に遊覧船の上から、27日にはサマーフェスタが行われていたので基地内から様々な艦艇とその装備品を撮影していました。

今回掲載するのはNOLQ-3D 電波探知妨害装置。レーダーの記事を書くことは何度かありましたが、電波探知妨害装置の単独の記事を書くのはこれが初めてですね。

NOLQ-3Dは海上自衛隊第3世代の電波探知妨害装置として開発されたNOLQ-3の改良型で、NOLQ-3自体はむらさめ型護衛艦から、NOLQ-3Dはあきづき型護衛艦から搭載されています。

電波探知妨害装置の役割としては、自艦に到来した電波の探知・分析を行い目標の識別、脅威判定、記録などを行った上で、自艦への脅威と判定すれば妨害電波を照射し自艦に対する攻撃を回避します。

妨害を行う相手としてはアクティブレーダー誘導の対艦ミサイル、敵艦の砲・ミサイル射撃管制レーダー、対水上レーダーなどがあり、レーダーの機能を無力化もしくは低下させます。

防衛庁技術研究本部では1975年度より水上艦用電波探知妨害装置の開発に着手しており、1983年に開発を完了したものの、この時開発された装置は非常に大型で艦載には不向きであったため、まず開発で得られたい技術を応用したNOLR-8 電波探知装置が開発されました。

一方で水上艦用電波探知妨害装置を基にした電波探知妨害装置の開発も行われ、NOLQ-2が誕生しました。これはイージス艦向けの電波探知妨害装置で、こんごう型護衛艦から搭載されています。

その上で汎用護衛艦向け、ヘリコプター搭載護衛艦向けとして開発されたのがこのNOLQ-3です。上記の通りむらさめ型から搭載されており、改良型のNORQ-3Bはたかなみ型に、NORQ-3Cはひゅうが型に、NORQ-3Dはあきづき型に、NORQ-3D-1はいずも型に搭載されています。

NORQ-3Dはデジタル信号処理技術を使用して従来よりも性能を向上させたタイプで、上の写真は電波妨害用アンテナです。上の写真が左舷側で右の写真が右舷側。このアンテナの形状もNOLQ-3やNOLQ-3Bとは形状が異なりますね。

イメージ 1

電波探知アンテナ部分。中央の小さい丸が全周に向かって並んだアンテナはIFFアンテナで、その上にある箱が電波探知用アンテナ。

NOLQ-3Dでは電波探知アンテナを回転式から固定式に変更し、受信機のデジタル化によって感度の向上と探知距離の延伸が図られています。

IFFアンテナの下部にある箱はNOLQ-3Dの方向探知用アンテナで、これも従来の振幅比較方式から位相差方式に変更して方向探知精度の向上が図られています。


・・・以上、始発で関空へ。ぽっぽやがお送りしました。

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