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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上保安庁 みずほ型巡視船 PLH22「やしま」由良港

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イメージ 1

由良港にて

由良港で10月22日に撮影した海上保安庁のPLH-22 みずほ型巡視船2番船「やしま」。この日は由良港にある海上自衛隊由良分屯基地を訪れていました。

海上自衛隊の掃海艇が目当てで巡視船がいるとは思っていなかったので、これが見えた時は少し嬉しかったですね。今までに撮影したことのないタイプでしたし。

みずほ型巡視船は海上保安庁の捜索救助態勢の強化を目的として建造された大型巡視船で、1番船のPLH-21みずほと2番船のPLH-22やしまの2隻が建造されています。

1979年に国際海事機関でSAR条約が採択され、それに基づく日米SAR協定で日本の担当海域が広大な物となり、早急な広域哨戒態勢の整備が必要とされた為に建造されました。

分類はヘリコプター搭載巡視船(PLH)で、公称船型はヘリコプター2機搭載型。従来のPLHは何れもヘリコプター1機搭載型であり、2機搭載型はこのみずほ型が初となっています。

船体設計は従来の1機搭載型と同じく長船首楼型で、造波抵抗低減のために巡視船としては初めてハルバスバウが採用されました。また1基搭載型では減揺のために減揺タンクとフィンスタビライザーを併用していましたが、みずほ型では船体が大型化したためフィンスタビライザーのみで十分な安定性を確保することが可能となっています。

主機関はディーゼルエンジン2基を搭載しています。1番船と2番船で機種と出力は異なり、1番船ではNKK-ピルスティク14PC2-5V型で合計18200馬力、2番船ではIHI-ピルスティク12PC2-6V型で18000馬力となっています。

1機搭載型のつがる型が排水量3766tなのに対してこちらは5317t、航続距離は6000海里なのに対して8500海里、速度は同等となっており、より広域の捜索救助に対応しています。

武装としてはエリコン35mm単装機銃とJM61-M 20mm多銃身機銃を各1基搭載しています。2番船のJM61-Mは就役後に遠隔操作式で光学照準器と連動したJM61-RFSに換装されています。

航空機はベル212クラスの機体を2機搭載する事が可能で、実際にベル212が2機搭載されていました。現在は海上保安庁からベル212が退役しており、みずほ型巡視船は2014年からベル412を搭載しています。

写真のPLH-22やしまは1987年8月3日に起工し、1988年1月20日に進水、同年12月1日に第3管区横浜海上保安部に配置されました。その後2013年10月11日に第7管区福岡海上保安部に転属しています。


イメージ 2

後方から撮影した巡視船やしま。ヘリ格納庫がかなり大きいことが解りますね。船尾形状はクルーザースターンとなっています。

由良港は水深が深いため大型船の入港が可能で、三井造船と川崎重工の共同出資会社であるMES-KHI由良ドック株式会社があるため、様々な船の修繕や改造が行われています。写真のやしまも修繕を受けていたようですね。

イメージ 3

前方。1機搭載型よりも船橋構造物がかなり大型化しています。これは通信室が船橋甲板に移設されたためで、作戦指揮室を中心に操舵室、通信室、航空管制室が集中配置されています。

イメージ 4

後方。ヘリコプターを2機収容できる格納庫が設置されています。また格納庫からヘリ甲板にかけてレールが敷かれており、ヘリコプター移動装置によってヘリを移動させることが可能です。

ヘリ格納庫は1番船と2番船で形状が異なります。これは1番船の運用実績を2番船に反映した物で、2番船では格納庫が発生させる乱流を低減するために流線形のデザインとなっています。


・・・以上、つがる型よりも好きかも。ef_end_63がお送りしました。

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