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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 護衛艦あけぼの RGM-84ハープーン発射筒

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和歌山港・護衛艦あけぼの艦上にて

昨年7月19日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊のむらさめ型護衛艦8番艦 DD-108「あけぼの」。自分も参加し、そこで撮影した各種装備を撮影順に掲載しています。

今回掲載するのはRGM-84 ハープーン発射筒。68式3連装短魚雷発射管以来の武装の掲載ですね。これも多くの護衛艦に搭載されており、過去に何度も掲載したことがあります。

RGM-84ハープーンはアメリカのマグドネルダグラス社が開発した対艦ミサイルシリーズの一つで、艦艇から発射する艦対艦型にRGM-84の名称が与えられています。

ハープーンにはその他にも航空機から発射する空対艦型、潜水艦から発射する潜水艦発射型があり、空対艦型はAGM-84、潜水艦発射型はUGM-84という名称になっています。

西側諸国の海軍でエグゾセと共に広く採用されている対艦ミサイルであり、開発国のアメリカの他にも日本、イギリス、イスラエル、カナダ、スペインなど29ヵ国で採用されています。

ミサイルは先端部がアクティブレーダーを納めたレドームとなっており、そこから後方に向かって誘導装置、弾頭、エンジン、飛行制御装置が配置されていますね。

弾頭は重量約220kgの遅延信管付き貫通弾頭で、命中後に船体内部までミサイルが突入してから爆発するようになっています。改良型では弾頭がより大型化されました。

誘導方式としては中間誘導に慣性誘導が、終末誘導にアクティブレーダー誘導が用いられています。発射前に目標の大まかな位置などが入力され、発射後はその方向へ飛行、目標に接近するとレーダーを作動させて目標を捜索して突入するという誘導方式ですね。

エンジンはJ402ターボジェットエンジンが搭載されています。エンジンメーカーはアメリカのテレダイン社。なおAGM-84では発射直後からターボジェットエンジンが作動しますが、RGM-84及びUGM-84では初期加速用としてロケットブースターが取り付けられ、発射はロケットブースターで行われます。

射程は約120km。改良型では更に延伸されています。開発は1971年から始まり、RGM-84がまず1977年に配備開始、次いで1979年にAGM-84が、1981年にUGM-84が配備されています。

海上自衛隊では1981年就役の護衛艦「いしかり」よりハープーンを導入しました。海上自衛隊にとって初めての対艦ミサイルであり、現在は後継の国産ミサイルであるSSM-1Bが開発されています。

むらさめ型護衛艦はSSM-1B開発後に登場した護衛艦なので本来はSSM-1Bを搭載しているのですが、この時は全てハープーンとなっていました。

むらさめ型の対艦ミサイル用攻撃指揮装置は対艦ミサイル艦上装置2型であり、これはSSM-1Bとハープーンの両方に対応しています。混載することも可能なようですね。

写真の発射筒は格納庫と発射機を兼ねたものであり、一つの架台に最大4発まで搭載する事が可能ですが、この時の護衛艦あけぼのは片舷に3発ずつの合計6発を搭載していました。むらさめ型では第1煙突の後部に架台が設置されています。

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左舷側発射筒。SSM-1Bの発射筒は先端部に突起があるため、外見での識別は容易ですね。トップの写真は右舷側発射筒です。

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艦外から撮影。発射筒の後方に排煙板がありますね。


・・・以上、4発搭載の方が見た回数は少ない。鉄道員日記がお送りしました。

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