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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 P-3C 5061号機@若狭湾

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若狭湾にて

昨年7月26日に行われた舞鶴地方隊展示訓練で撮影した海上自衛隊の装備品を掲載しています。前回前々回のSH-60Kに引き続き、今回も航空機の掲載となります。

今回掲載するのは海上自衛隊のP-3C 5061号機。海上自衛隊のP-3Cは以前にも徳島航空基地で撮影したことがありますが、殆ど地上での撮影だったので今回のように低空で水平飛行しているのは初めて見ました。

P-3Cはアメリカのロッキード社が開発した対潜哨戒機、P-3の派生型の一つで、P-3は西側諸国を代表する哨戒機として多くの国で採用されました。オライオンという愛称が付けられています。

P-3は1957年にアメリカ海軍がP2V ネプチューンの後継として仕様を提示したため開発が始まった哨戒機で、ロッキード社は自社の旅客機L-188 エレクトラの改造型を提案しました。

L-188を改造したYP3V-1(後にYP-3Aに改名)は1958年8月19日に初飛行をした物の、L-188の構造的欠陥により連続事故が発生したため開発は遅延し、配備は1962年8月まで遅れました。

最初に配備されたP-3AはP2Vとほぼ同様の機器を搭載していましたが、旅客機を原型としたため機内容積が広く、速度・航続距離が増したため対潜能力は向上しました。

1965年からはエンジンを換装したP-3Bの配備が始まり、1969年に能力向上型のP-3Cが配備されています。

P-3Cでは潜水艦探知用のソノブイ、センサー、レーダー、コンピュータの能力向上が行われ、これらのシステムは何度か改修が行われておりアップデート?鵯~?鶤に分類されます。

上に書いた通り旅客機を原型としたため、機内容積が広く、対潜機材や電子機器類を無理なく積み込むことが出来、良好な居住性も得ることが出来ました。

開発の際には胴体の設計が改められており、機首が切り詰められ主翼長も短くなっています。胴体の前方下部にはウエポンベイが設けられ、後方下部にはソノブイランチャー、翼下には武装搭載用のパイロンが装備されています。

エンジンはアリソンT56-A-14ターボプロップエンジンが4基搭載され、T56-A-14エンジンは4600馬力の出力を持っています。海上自衛隊機ではIHIがライセンス生産したT56-IHI-14を搭載。

P-3Cには対艦ミサイル・短魚雷・対潜爆弾などの武装が搭載可能で、対艦ミサイルはAGM-84ハープーン、短魚雷はMk46、対潜爆弾は150kg対潜爆弾が使用されます。

その他水中発音弾や航空機雷も使用でき、また海上自衛隊機はそれに加えてASM-1C 対艦ミサイルや97式短魚雷といった国産装備も搭載する事が出来ます。

センサーはソノブイ・磁気探知機の他に逆合成開口レーダーや赤外線暗視装置などが装備され、様々な方法で潜水艦の探知を行うことが出来ます。

搭乗員はパイロット2名、機上整備員、戦術航空士、航法通信員、ソナー員、レーダー員、機上電子整備員、機上武器整備員など11名で構成されます。

海上自衛隊では1968年からP2V-7の後継を選定し始め、当初は国内開発の方針でした。しかし1972年に突如国内開発が撤回され、外国機の選定となります。

選定によってP-3Cが候補に挙がりますが、1976年にロッキード事件が発覚したため今度はP-3Cが白紙に戻され、1977年に改めてP-3Cを採用、1978年から調達を開始しました。

最初の3機は1981年にアメリカで引き渡され、次いで川崎重工によりノックダウン生産、ライセンス生産が行われ最終的には101機が調達されました。

この101機という数字はアメリカ海軍に次ぐ第2位の導入数であり、海上自衛隊がいかに対潜能力を重視しているかの現れとなっています。

冷戦の終結に伴って哨戒任務が減少したことにより20機程度が実任務から外されることとなり、5機が画像情報収集機OP-3Cに、5機が電子戦情報収集機EP-3Cに、1機が装備試験機UP-3Cに、3機が電子戦訓練支援機UP-3Dに改造されました。

海上自衛隊のP-3Cは衛星通信装置や画像伝送装置、ミサイル警報装置などの追加装備によって能力向上が図られており、機体によって形態に差異があります。

写真の機体は衛星通信アンテナを搭載し、電波探知装置はAN/ALR-66を搭載しています。またAN/AAR-47ミサイル警報装置とAN/ALE-47チャフ・フレア発射機は搭載していないようです。

海自P-3Cの衛星通信アンテナは大型の4面の物と小型の1面の物があり、写真の機体は小型の物を装備しています。大型の方が深いバンク角を取っても通信が安定しているようですが、普通は小型でも問題はないようです。

電波探知装置は3種類あり、写真の機体が装備しているAN/ALR-66は翼端に埋め込まれる形であるため外見上は殆ど目立ちません。その他大型のHLR-109ポッドを携行する形態、、小型のALQ-78ポッドを携行する形態があります。

写真のP-3C 5061号機は厚木航空基地に所在する第3航空隊に所属する機体です。

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機体後部。尾部にあるしっぽのような物はAN/ASQ-81磁気探知機で、鉄の塊である潜水艦によって生じる地磁気の乱れを探知します。

また主翼の後方、機体下面にはソノブイランチャーがあり、52箇所のソノブイ投下口が設けられています。機体の下面にはソノブイからのデータを受信するアンテナが多く設置されていますね。

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飛行展示を行うP-3C 5061号機。今回の舞鶴地方隊展示訓練では、機首の赤外線暗視装置を出しながら艦隊の上空を1度低空で通過して行きました。

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艦隊上空を飛んでいく5061号機。


・・・以上、陸自だと思ってたら今日は海自の日だった。ef_end_63がお送りしました。

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