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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 護衛艦あきづき 00式射撃指揮装置3型A

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和歌山港・護衛艦あきづき艦上にて

昨年7月16日・17日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊のあきづき型護衛艦1番艦あきづき。その護衛艦あきづきの各種装備品を撮影順に掲載しています。前回は11m作業艇でしたね。

今回掲載するのは00式射撃指揮装置3A。FCS-3Aと呼ばれる事の方が多いですね。国産第3世代の射撃指揮装置であり、あきづき型の装備品としてはかなり重要な物の一つと言える装備ですね。

FCS-3は従来の射撃指揮装置と対空捜索レーダーを統合した対空戦闘システムで、アクティブフェイズドアレイレーダーを使用した多機能レーダーを中核とするシステムです。

1方向に対して2面のレーダーが設置されており、写真のように大きな平面アンテナと小さな平面アンテナが並んでいるのが外見上の特徴ですね。このFCS-3はひゅうが型護衛艦で実戦配備されました。

従来の対空戦闘システムでは対空レーダーから戦術情報処理装置、射撃指揮装置に情報を移管する際にオペレーターによって手動処理が行われており、処理能力には限界がありました。

それらの過程を自動化して問題を解決し、リアクションタイムを削減しています。1983年に技研での部内研究が開始され、1995年に試験艦あすかによって洋上試験が始まり、2000年に制式化されました。

開発時はむらさめ型護衛艦もしくはたかなみ型護衛艦から搭載される予定でしたが、FCS-3とセットで対空戦闘システムを構成する予定だった国産艦対空ミサイルのXRIM-4が開発中止となり、アメリカ製の発展型シースパローに対応するための更なる開発の必要が発生したため実戦配備は2009年まで行われませんでした。

写真の大きい方のアンテナは対空捜索用のCバンドレーダーで、小さい方は発展型シースパローへの対応に際して追加されたXバンドイルミネーターです。このイルミネーターはオランダのタレス・ネーデルラント社製APARシステムのイルミネーターを採用しています。

FCS-3のシステムには民生品が使用され、性能を維持しつつコストダウンが図られていますね。イージスシステムと比較されることもありますが、イージスシステムは艦隊防空を担うのに対し、こちらは個艦防空用として開発されています。

ひゅうが型護衛艦で実戦配備されたFCS-3ですが、続くあきづき型護衛艦には改良型のFCS-3Aが搭載されました。FCS-3Aでは主砲の管制機能が追加されていますね。

またレーダーのアンテナ素子をヒ化ガリウム素子から窒化ガリウム素子に変更したため出力が大幅に向上し、自艦以外へ向かう目標への対処アルゴリズムも追加されたため僚艦防空が可能となっています。

上の写真のFCS-3アンテナは前方右舷側の物で、あきづき型では艦橋の上部とヘリ格納庫の上部に4面に向かってアンテナが取り付けられていますね。

イメージ 2

艦橋上部に並んだFCS-3Aのアンテナ。捜索用レーダーの動作周波数であるCバンドは低高度の目標に対する探知能力が高く、アンテナも小型化しやすく耐妨害性も高い一方で対荒天性などでSバンドに劣るという特徴があります。

イメージ 3

ヘリ格納庫の上部に取り付けられた後部右舷側FCS-3アンテナ。


・・・以上、以前ふゆづきの物を撮影したことがある。ぽっぽやがお送りしました。

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