和歌山港・護衛艦あきづき艦上にて
昨年7月16・17日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊のあきづき型護衛艦1番艦「あきづき」。その護衛艦あきづきの各種装備品を撮影順に掲載しています。
今回掲載するのは90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)の発射筒。キャニスターとも呼ばれていますね。以前はやぶさ型ミサイル艇や護衛艦ふゆづきのSSM-1B発射筒を掲載したことがあります。
SSM-1Bは海上自衛隊が護衛艦とミサイル艇に搭載して運用している艦対艦ミサイルで、陸上自衛隊が運用している地対艦ミサイルの88式地対艦誘導弾(SSM-1)をベースに開発されました。
自衛隊では対艦ミサイルをモジュール設計としてファミリー化を行っており、SSM-1は航空自衛隊が運用している空対艦ミサイルの80式空対艦誘導弾(ASM-1)を基に開発されています。
SSM-1ではASM-1の推進機関である固体燃料ロケットに加えてターボジェットを採用し、射程の延長が図られており、目標選択アルゴリズムや耐妨害性も向上しています。
そのSSM-1を艦載化したのがSSM-1B。ミサイル本体はほぼ同じで、推進方式・誘導方式も同じ方式を採用しています。推進方式は上記の通りで、初期加速にロケットを使用し巡航にターボジェットを使用します。
飛翔速度は1150km/h、射程は150km程度と推定されていますね。誘導方式は発射後の中間誘導が慣性航法誘導、目標に接近しての終末誘導はアクティブレーダー誘導となっています。
海上自衛隊では既にアメリカ製のRGM-84 ハープーンを運用していましたが、1993年就役の1号型ミサイル艇からSSM-1Bの運用を開始しました。発射管制装置としては艦対艦ミサイル艦上装置2型が搭載されています。
この管制装置はSSM-1Bだけでなくハープーンの発射管制も可能で、SSM-1Bとハープーンを混載することも可能なようです。上の写真は右舷側のミサイル架台で、1つの架台につき最大4連装とすることができます。
真後ろから見た右舷側ミサイル架台。最大4連装まで搭載できますが、4連装とされている姿はあまり見ませんね。この時は片舷3連装で合計6発が搭載されていました。
左舷側ミサイル架台。
左舷側SSM-1B発射筒の尾部。左の2発と右の1発の形状が異なりますね。左はバンドで締められていますが、右はボルトとネジで固定されています。
右舷側ミサイル架台の前方に設置されているデッキクレーン。設置位置はスライディング・パッドアイの近くでもあるため、岸壁からの物資の搭載に使用される物と思われます。
位置的に発射筒の再装填にも使用できそうですね。左舷側にも同様のデッキクレーンがあります。
最後に説明書き。
・・・以上、2月も今日で最後か・・・鉄道員日記がお送りしました。