京都鉄道博物館にて
京都鉄道博物館に保存されている国鉄80系の座席。クハ86001とモハ80001の2両が保存されていますが、この座席はクハ86001のもの。ニス塗りの木材が良い感じですね。
80系は長距離輸送のために2扉のセミクロスシート配置となっており、座席の殆どはクロスシートで、両端に通勤輸送を考慮して2人掛けのロングシートが設置されていました。
より大量の輸送を実現するために従来の客車よりも座席の前後間隔が詰められており、加えて通路幅も拡大されたことによって定員が増加しています。
写真の座席は背ずりの上部にシートモケットがなく、板張りとなっていますね。これは80系初期車の特徴で、有効空間を拡大するための措置でした。
しかし乗客からは不評だったため、2次車からは背ずり全体にモケットが張られるようになっています。背ずりの通路側上部は斜めに切り欠かれ、手摺りが取り付けられていますね。
座席の下にある金属の箱は電気暖房装置であり、現在は架線から取り入れた電気を電動発電機や静止形インバータで変換して使用していますが、この当時は直流1500Vを直接ヒーターに通していたようですね。
窓下には灰皿が設置されているのが見えます。これは当時としては当然の装備ですね。なお写真では見えませんが、車内照明には白熱灯が2列配置で使用され、網棚は文字通り「網」でした。
・・・以上、長時間座るのはキツいかな?ぽっぽやがお送りしました。