京都鉄道博物館にて
4月1日に京都鉄道博物館で撮影したTR13型台車。解説板ではTR11と表記されていましたが、側梁の補強板や釣り合いバネの太さから、TR13ではないかと思うのですがどうでしょうか?
何れにせよTR10型台車の派生型であり、解りやすいイコライザ式台車ですね。イコライザとは釣り合い梁のことであり、軸箱の上に引っ掛けるように設置されている弓形の梁がそれに当たります。
この方式は昭和初期から戦後まもなくの台車で多く用いられており、車体から揺れ枕・台車枠と軸箱の間にイコライザが設けられ、車体荷重を伝えつつ衝撃を吸収する構造となっています。
この方式の利点は軌道条件の悪い路線における走行性能で、イコライザによって車輪の上下動による荷重の不均等に即座に対応できるため台車枠への負担を軽減することができ、追従性も向上するようです。
また軸箱の前後動を抑えている軸箱守が摩耗した場合にも、イコライザが前後の軸箱を接続しているため1軸蛇行動を抑止する効果もあるようです。一方で重いイコライザがばねの下にあるため軌道に与えるダメージが比較的大きいという欠点もありますね。
TR13はTR10の荷物車向け派生型として設計された台車で、軸距は2450mm。最初に書いた通り側梁に補強板が貼り付けられ、釣り合いバネが太くなっているのが特徴です。
写真の台車は長らく宮原区で保管されていた救援車スエ30-2が履いていたもので、同車は博物館入りすることなく解体され台車だけが残りました。
スエ30-2のルーツは郵便車スユフ47500形のスユフ47520で、1927年3月に製造されました。その後1928年の車両称号規定改正でスユ36020と改番され、更に1941年の車両称号規定改正でスユ30-21と改番されます。
1960年に救援車への改造が行われスエ30-2となります。1987年2月7日に廃車。その後は宮原区で悪い状態ながらも保管されていましたが、2015年5月25日に解体されています。
・・・以上、ダブルルーフ客車・・・残して欲しかった。鉄道員日記がお送りしました。