京都鉄道博物館にて
京都鉄道博物館の展示引込線に展示されているスハ43系オハ46-13。今回掲載するのはそのオハ46-13のTR47型台車。以前梅小路運転区の片隅に留置されていた際にも撮影しています。
こうして旧型客車を近くでじっくり眺める機会というのはなかなか無いので、いろいろと見られて面白かったですね。京都鉄道博物館では他にもTR23やTR13といった旧客に使用されていた台車が展示されています。
TR47型台車は国鉄が戦後まもなくに採用した電車用台車のTR37(後のDT14)型台車をベースとした台車で、TR37を客車向けに再設計したモデルであるTR40の改良型です。
TR37型台車は鋳鋼組み立て式の2軸動力台車で、車体支持機構は揺れ枕吊り式、枕バネは重ね板バネとなっています。軸箱支持方式はウイングバネ式が採用されています。
ウイングバネ式は従来の軸バネ式と異なり、車軸の上の狭いスペースではなく左右に軸バネが配置されるため、バネにかかる荷重を半減させつつもばね定数を維持し、良好な乗り心地を実現できる方式です。
この台車は鉄道技術研究所と台車メーカーが参加した「高速台車振動研究会」での研究を元に設計されており、扶桑金属工業が設計・製造を行いました。また川崎車輛でも製造されています。
客車向けのTR40は台車枠に主電動機を架装する必要がないため、軸距2600mm・車輪径910mmから客車標準の軸距2450mm、車輪径860mmに変更されました。
また高速台車振動研究会の研究結果を元に揺れ枕吊りが従来よりも長くなっており、乗り心地が改善されています。客車用として大量に製造され、製造数は原型のTR37を大幅に上回っているようですね。
写真のTR47はTR40を元に枕バネの重ね板バネを4列から2列に減らし、ブレーキ装置を電車式の組ブレーキに変更しています。写真のTR47は違いますが、軸箱を軽量化したモデルも存在しました。
このTR47型台車はスハ43系客車の各形式に採用されたほか、10系オハネ17・スハネ16や50系スユニ50に採用されました。スユニ50が履いていたのはスハ43やスハネ16から転用されたTR47です。
・・・以上、23時までには布団に入るか。鉄道員日記がお送りしました。