京都鉄道博物館にて
4月1日に京都鉄道博物館で撮影した寝台特急「富士」のテールサイン。京都鉄道博物館ではEF66-35号機に富士のヘッドマークが取り付けられていますが、別のコーナーでテールサインも展示されていました。
今回のテールサインが展示されていたのは鉄道の歴史を紹介するコーナー。このコーナーには他にも「つばめ」や「へいわ」などのテールサインやヘッドマークが展示されていましたね。
「富士」という列車愛称は日本で最初に付けられた列車愛称として有名ですが、その始まりは1929年でした。当時の鉄道省が東京~下関を結ぶ第1・第2列車の愛称を公募し、それによって命名されています。
この列車の編成は1912年6月15日の運行開始当初から最後尾に一等展望車を連結しており、その展望車のデッキ部分に掲げられていたのが今回のテールサインです。
「富士」と愛称が付けられた列車は1929年9月15日から運行を開始しましたが、写真のテールサインは同年11月頃から取り付けられたようですね。
後のヘッドマークなどと異なり訓令式のローマ字表記となっているところが面白いですね。また大宮の鉄道博物館に「富士」のテールサインを掲げたマイテ39が保存されていますが、そちらはヘボン式となっています。
1929年当時の展望車はスイテ37000及びマイテ37010であり、スイテ37000は洋風、マイテ37010は和風の内装となっていたようですね。その後の「富士」は関門トンネルの開通により九州まで直通する物の、太平洋戦争の激化により1944年4月1日に運行中止となりました。
戦後は東京~宇野間の電車特急に「富士」と命名され、その後は再び九州方面の寝台特急となりますが、新たに20系客車を使用したため写真のテールサインが使用されたのは1944年の運行中止まででした。
このテールサインは弁天町にあった交通科学博物館でも展示されていましたが、交通科学博物館ではただガラスケースの中に置いてあるだけだったのに対し、京都鉄道博物館では内部の電灯を付けた状態で展示されています。やはりテールサインは光っている方が良いですね。
・・・以上、今月もあまり記事を書けそうにないね。鉄道員日記がお送りしました。