桂駐屯地にて
11月5日に陸上自衛隊桂駐屯地で行われた創立63周年記念行事。そこで撮影した陸上自衛隊の各種装備品を掲載します。この日は観閲式や訓練展示などで様々な装備品を見ることが出来ました。
今回掲載するのは重装輪回収車。この日最も見たかった装備品がこの重装輪回収車で、このために桂駐屯地に行ったようなものですね(笑)。目の前に現れた時はかなりテンションが上がりました。
重装輪回収車は陸上自衛隊が保有している大型の回収車両で、2002年から調達されています。陸上自衛隊の装輪式の回収車両としては最高の能力を持つ装備ですね。
民間で言うところのレッカー車ですが、陸上自衛隊の回収車両は野外でのタイヤ・エンジン交換や砲塔交換など車両の野外整備支援などにも使用されます。
陸上自衛隊では82式指揮通信車を皮切りに様々な装輪式装甲車両を配備してきましたが、これらが自走不能になった時の回収や転落時の引き上げなどは戦車回収車を使用する必要がありました。
この戦車回収車は装軌式で装輪装甲車に追随することが難しく、また戦車以外の回収に使用されている重レッカは装輪式である物の能力が不足している状況となっていました。
この問題を解消するため、装輪式でなおかつ装輪装甲車を回収可能な能力を持つ回収車両として開発されたのが重装輪回収車です。開発・製造は三菱重工業。
8×8の装輪駆動車にクレーンやウインチなどの装備を架装しており、クレーンの吊り上げ能力は12t、ウインチ能力は15t、吊り上げ牽引走行能力は6tとなっています。
重レッカの吊り上げ能力が10t、ウインチ能力が10t、吊り上げ牽引走行能力が3.5tだったのに比べると、かなり能力が向上していることが解りますね。
なお重装輪回収車よりも先に登場した装輪装甲車で最も重いのは87式偵察警戒車で、重量は15tとなっています。次いで96式装輪装甲車(14.5t)、化学防護車(14.1t)、82式指揮通信車(13.6t)となっていますね。
これらの車両を重レッカで回収する場合、重レッカが2両必要となるほか、長距離を移動する場合は相吊りで73式特大型セミトレーラに搭載する必要があるなどかなり制約が生じてしまいます。
重装輪回収車のサイズは全長11m、全幅2.5m、全高3.4mで、車両重量は24.8t。最高出力420PSのF6M-WTK直列6気筒ディーゼルエンジンを搭載しており、最高速度は100km/hです。
写真の重装輪回収車は兵庫県青野原駐屯地に駐屯する第302高射直接支援中隊に配備されている物で、同隊は中部方面後方支援隊の隷下部隊として第8高射群に対する支援を行っています。
・・・以上、展示して欲しかった・・・鉄道員日記がお送りしました。