桂駐屯地にて
昨年11月5日に行われた陸上自衛隊桂駐屯地創立63周年記念行事で撮影した各種装備品を掲載しています。今までは車両が多かったですが、今回は航空機です。
今回掲載するのはUH-1J 41911号機。この日撮影した唯一の航空機でした。今まで何度となく撮影したことのあるUH-1Jですが、この41911号機はこれが初撮影でしたね。
UH-1はアメリカのベル・エアクラフト社が開発した汎用中型ヘリコプターで、1959年から改良を重ねながら現在も生産されている軍用ヘリのベストセラーですね。
ベトナム戦争などで米軍が大量に運用したことから有名になり、アメリカ以外にも世界69ヵ国で運用されています。累計生産数は16000機以上であり、民間モデルも幅広く採用されていますね。
元々は米陸軍の要求にベル社が応えるために設計したモデル204がベースであり、モデル204B、モデル205、モデル205Bなどベース機体の改良に合わせてUH-1にも様々な派生型が登場しました。
写真のUH-1Jはモデル205B-2をベースとしています。この機体はキャビンを拡張しエンジンを強化したモデル205のエンジンを更に強化したモデル205Bの改良型。
モデル205Bはモデル205にモデル212のローターブレードと延長された機首部を組み合わせた機体として開発されましたが、そのタイミングでベトナム戦争が終結したため5機しか販売されませんでした。
そのモデル205BのエンジンをT53-L-703に換装して強化し、ローターブレードの翼舷を拡大、コクピット周辺を近代化した機体として開発されたのがモデル205B-2。
モデル205B-2の開発はモデル205Bをライセンス生産していた富士重工業が主導しており、機体の80%は国産技術で事実上富士重工が単独で開発したと言われることもあります。
陸上自衛隊では1962年からモデル204BベースのUH-1Bを、1972年からモデル205ベースのUH-1Hを調達しており、1991年度予算からUH-1Jの調達に切り替えられました。
最終的に2007年度まで130機が調達され、沖縄を除く全国の航空部隊に配備されています。写真の41911号機は八尾駐屯地の第3飛行隊に所属する機体で、この日は訓練展示への参加の他、地上展示も行われました。
UH-1Jの胴体部。初期のUH-1と見比べると胴体部がかなり膨らんでいるように見えます。地上展示では機内も公開されていたため、沢山の人が列を成して見学していました。
正面から。胴体幅はUH-1Hの2.62mから2.86mに拡大されています。
後方から。改良が続けられたUH-1シリーズですが、どの機体も後方からのアングルが最もUH-1らしく見える気がします。
ローターマスト。これも当初からあまり変わらず、シンプルな構造となっています。因みにエンジン出力はUH-1Hの1400軸馬力から1800軸馬力に強化されており、最大離陸重量は4310kgから4772kgに向上しました。
ワイヤーカッター。UH-1Jの特徴的な部分の一つで、機首の上下に装備されています。
テールブーム。ここだけはあまり変わりませんね。写真では解りませんが、国籍マークの部分に収納スペースがあります。ドアは反対側。
垂直尾翼とテールローター。
機体下部のカーゴフック。物資輸送や空中消火の際に使用されてますね。最大吊り下げ重量は4000lbs(1814kg)であるという表記があります。
戦闘訓練展示の途中で駐屯地上空に姿を現した41911号機。
負傷した隊員の回収のため降下する41911号機。着陸シーンは目の前にトラックが停まっていたため見えず。キャビンでは乗員が89式小銃を構えて警戒していました。
負傷者を回収して離陸する41911号機。ベトナム戦争モノの映画で何度も見たアングル。
ドアを開けたまま上空を離脱していきました。
訓練展示終了後、地上展示のため再びグラウンドにアプローチしてくる41911号機。
地上隊員の誘導によりタッチダウン。
・・・以上、一部ipadでの撮影。ぽっぽやがお送りしました。