桂駐屯地にて
昨年11月5日に京都府の陸上自衛隊桂駐屯地で行われた創立63周年記念行事。駐屯地が一般開放され、自分も色々な陸上自衛隊の装備品を見ることが出来ました。
今回掲載するのは120mm迫撃砲RT。前回は81mm迫撃砲L16を掲載しましたね。撮影順の掲載ですが、迫撃砲が連続することとなりました。この日はこの2種類の迫撃砲が展示されていましたね。
120mm迫撃砲RTは陸上自衛隊が1992年度から調達している口径120mmの迫撃砲で、全国の普通科部隊などに配備されており一般人が見かけることも多いですね。
開発はフランスのトムソン・ブラーント社によって行われ、フランス陸軍の他アメリカ海兵隊などにも採用されています。従来の軽榴弾砲に匹敵する射程と威力を持つため、榴弾砲を補完する存在としても扱われています。
口径は上記の通り120mmで、砲身長は2080mm、重量は582kgとなっています。射程は通常弾の場合約8100mですが、ロケット補助推進弾を使用すれば約13000mとなります。
発射速度は最大で毎分20発、通常は毎分6発程度となるようですね。発射に際しては射撃方式を選択でき、装填された砲弾が撃針に触れると即座に発射される墜発式、装填された砲弾はすぐに発射されず、撃発用のロープを引っ張ることで発射される拉縄式があります。
砲身はライフリングが刻まれたライフル砲身であり、砲弾を回転させて安定を図るため安定翼が不要となりました。これによって風の影響を受けづらくなっています。
この120mm迫撃砲RTは砲架にタイヤが取り付けられており、移動時は砲口にフックを取り付けることで車両で牽引する事が可能。移動・展開に際して分解する必要がないため、迅速に展開する事が可能です。
陸上自衛隊が運用しているものは豊和工業でライセンス生産されたものであり、M2 107mm迫撃砲の口径として導入されました。現在も調達が続けられており、現在の合計調達数は443門。
普通科の持つ最大の火砲として配備されており、牽引には高機動車を改造した重迫牽引車を使用ています。これにより砲そのものと弾薬、運用する人員を1度に輸送する事が可能です。
普通科以外の部隊には第1空挺団隷下の空挺特科大隊や水陸機動団の特科大隊に配備されています。また装甲車に搭載して自走式とした96式自走120mm迫撃砲も開発され、機甲師団である第7師団隷下の第11普通科連隊に配備されていますね。
サイドから見た120mm迫撃砲RT。射撃姿勢でもタイヤを取り外す必要はありません。初弾発射時は底板が地面に刺さっていない状態なので砲口が高く、装填時には踏み台を使用するようです。
砲口のアップ。ライフリングが刻まれているのが見えますね。砲身の外側には細かく溝が刻まれていますが、これは排熱の他、砲の府仰角を変える為にも使用されます。
砲架。砲の府仰角や旋回角、傾斜角などを調整するハンドルがありますね。府仰角は30度~85度、旋回角は左右14度の範囲で調整可能です。
照準器。トプコン製の120mm迫撃砲RT用照準具です。この日は照準器付きで展示されていました。
最後に説明書き。
・・・以上、榴弾砲から転換される部隊も。鉄道員日記がお送りしました。