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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上保安庁 いわみ型巡視船 PL73「きい」和歌山港

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イメージ 1

和歌山港にて

和歌山港に繋留されていた海上保安庁のいわみ型巡視船3番船 PL73「きい」。和歌山海上保安部に所属し和歌山港を母港としている巡視船で、地元の見慣れた船です。

撮影は7月14日で、この日は和歌山港に入港した海上自衛隊の護衛艦「いずも」を撮影するために和歌山港に行っており、その隣の岸壁に繋留されていた「きい」も撮影しました。

いわみ型巡視船は海上保安庁が2013年から運用している巡視船で、公称船型は1000トン型PL。1978年から運用されている1000トン型であるしれとこ型巡視船の後継として導入されました。

海上保安庁では2000年代の1000トン型PLとしてあそ型やはてるま型を導入しましたが、それらの巡視船は高速性と警備能力を強化した巡視船で、救難にも使用されていたしれとこ型の置き換えには不向きとされていました。

そのため汎用型としてくにがみ型を導入しましたが、汎用性を求めたため建造費が上昇してしまいました。このことから性能を犠牲に建造費を抑えたのがこのいわみ型巡視船です。

船体は全通船楼型で船首にはバルバスバウが装備されています。あそ型・はてるま型・くにがみ型は後部甲板が飛行甲板となっていましたが、いわみ型では飛行甲板となっておらず航空機運用能力は廃止されています。

それに伴ってフィンスタビライザーも省略されました。代わりとしてビルジキールが設置されています。主船体部は高張力鋼・軟鋼で、上部構造物はアルミ合金製。

主機関は4000馬力のディーゼルエンジンを2基搭載しており、推進器はスクリュープロペラ2軸です。最大速力は21ノット以上を発揮することが可能。バウスラスターも2基装備されていますね。

武装は前部甲板に搭載されたブッシュマスター製の30mm単装機銃のみで、この30mm単装機銃は赤外線捜索監視装置による射撃管制を受ける事が可能です。その前方には毎分2万リットルを放水可能な高圧放水銃が搭載されていますね。

搭載艇は高速警備救難艇と高速複合警備艇を2隻ずつ、合計4隻搭載しています。なお1番船と2番船は複合警備艇を1隻のみ搭載しています。

操舵室には機関管制盤も設置され、操舵室と機関室の機能が集約されています。その後方には作戦指揮室があります。煙突は左右に2本並んでおり、曳航時の後方視界を確保しています。いわみ型は陸岸曳引力45トンとかなり強力な曳航能力が備えられていますね。

写真のPL73「きい」は2013年3月5日に起工、11月7日に進水、2014年6月27日に就役し、第五管区海上保安本部和歌山海上保安部に配置されました。

イメージ 2

護衛艦「いずも」と。


・・・以上、しれとこ型の「きい」が置き換えられた。鉄道員日記がお送りしました。

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