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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 SH-60J@護衛艦いずも

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護衛艦いずも艦上にて

7月15日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊の護衛艦「いずも」。前回は艦載ヘリのSH-60Kを掲載しましたが、今回は同じく艦載ヘリのSH-60Jを掲載します。

前回は現役の機材でしたが、今回は退役した機材。SH-60Jの8268号機です。格納庫内で展示されており、コクピットやキャビンの様子を見ることが出来ました。近くでは擬製魚雷や航空機けん引装置も展示されていましたね。

SH-60Jは海上自衛隊がHSS-2Bの後継として運用している対潜哨戒ヘリコプターで、1991年から2005年までに103機が調達されました。現在は後継機としてSH-60Kが開発・運用されています。

SH-60Jはアメリカ海軍が運用している対潜哨戒ヘリコプターであるSH-60Bをベースとしており、試作機2機をアメリカから輸入、3号機からは量産型として三菱重工が製造しました。

1998年以降に調達された8271号機以降の32機は陸上基地配備型であり、赤外線監視装置、ミサイル警報装置、チャフ・フレア発射装置、GPS航法装置が追加装備されていますね。

アメリカ海軍はSH-60Bにソノブイと磁気探知機、対水上レーダーを装備して空母打撃群外周の広範囲の捜索を担当させており、空母打撃群内側ゾーンでの精密な捜索にはディッピングソナーを装備したSH-60Fが担当しています。

海上自衛隊のSH-60Jはソノブイ、磁気探知機、対水上レーダー、ディッピングソナーの運用能力を持ち、SH-60BとSH-60Fの機能を統合したような機体となっていますね。

なおアメリカ海軍も後にSH-60BとSH-60Fを統合したMH-60R統合多用途艦載ヘリコプターを開発しています。SH-60Jは多様な装備を搭載しましたが、その代わりに機内スペースが狭くなっており、汎用性には欠ける面があります。

主任務は対潜哨戒や対水上捜索ですが、救難から補給、不審船対処、機雷処分まで様々な任務に投入されています。乗員はパイロットが2名とセンサーマンが1名。

SH-60Jは全長19.8m、胴体幅4.4m、全高5.4m、メインローター直径16.4m、最大搭乗数は8名。エンジンはT700-IHI-401Cターボシャフトエンジンを2基搭載しています。エンジン離昇出力は1800shp。

最大速力は149kt。航続距離は590kmで、最大離陸重量は9700kg。武装としてはMk.46短魚雷を最大2発搭載できるほか、キャビンに74式車載7.62mm機関銃を搭載することもできます。

写真の8268号機は1999年7月に製造された機体で、2015年3月に退役しました。最終配備は大村航空基地の第22航空群第22航空隊。3月25日にラストフライトとして護衛艦「いずも」に飛来し用途廃止となったようです。現在は艦上でのハンドリング訓練などに使用されているようですね。

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コクピット周辺。

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コクピット。

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コクピット上部の操作パネル。エンジン出力のレバーなどが見えます。

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キャビンのセンサーマン席。隣接する窓はバブルウインドウとなっています。

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ソノブイ発射機。25連装の発射機となっており、装填は外側から行われます。このソノブイ発射機は取り外されていることも多いですね。この手前側にはディッピングソナーが搭載されていますが、8268号機では取り外されていました。

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HLR-108電波探知用アンテナ。自機に対して発せられたレーダー波などを探知します。前後左右に1基ずつアンテナがあり、センサーが探知したデータは搭載母艦に転送されて解析されます。

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コクピット下に搭載されたHPS-104対水上捜索レーダー。護衛艦の搭載する対水上レーダーの延長とすることで捜索範囲を拡大することができます。レーダーの種類としてはアクティブフェイズドアレイレーダーに分類されます。

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磁気探知機のパイロン。本来は赤と黄色の曳航体が取り付けられていますが、この機体にはありませんでした。

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救難用のホイスト。

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ホイストコントローラー。

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メインローター。艦載機としてコンパクトに格納できるようメインローターは折りたたむことが出来ます。エンジンが取り外されているのも見えますね。

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テールブーム。同様にテールブームと水平尾翼も折りたたむことが可能。部隊表記は第22航空隊のままですね。

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キャビンドア。SH-60Jは胴体右側にのみキャビンドアがあります。ドアの後ろは兵装搭載用パイロンで、陸上配備型はこのパイロンに赤外線監視装置が搭載されています。


・・・以上、良い旅行だった。ぽっぽやがお送りしました。

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