アジア太平洋トレードセンターにて
3月15日にアジア太平洋トレードセンターで撮影した陸上自衛隊の01式軽対戦車誘導弾。OSAKA防衛・防災フェスタで展示されていた物です。
01式軽対戦車誘導弾は2001年に制式採用された個人携行式の対戦車ミサイルで、開発を防衛庁技術研究本部と川崎重工が行い、製造を川崎重工が担当しています。
1993年から開発が始め離、1997年に試作が開始されています。開発にあたっては低コスト化と非冷却型赤外線画像誘導方式、射出推進方式の採用、小型軽量化などが課題とされました。
非冷却型赤外線画像誘導方式の対戦車ミサイルへの採用は世界初であり、冷却型は赤外線センサーでのロックオンの際に自身の熱による精度の低下を防ぐために冷却する必要がありましたが、非冷却型ではその必要がなくなり、小型軽量化、即応性の向上、低コスト化に寄与しています。
01式軽対戦車誘導弾のシステムは誘導弾本体と発射機、夜間照準具で構成され、総重量は17.5kgとなっています。誘導弾を収めた発射筒は発射機と簡単に着脱することが出来、発射機自体は繰り返し使用する事が可能。
誘導弾はタンデムHEATの対戦車弾頭のみ採用されています。また演習用に無誘導のロケット弾が調達されています。
上記の非冷却型赤外線画像誘導方式は車両の発する赤外線を捉えて誘導するため、発射後すぐに離脱できる撃ち放し能力を備えています。また発射後の弾道を、戦車の弱点である上面に着弾するダイブモードとまっすぐ飛翔する低進弾道モードに切り替える事ができます。
発射方式はミサイル後部のロケットブースターにより射出され、その後メインロケットモーターに点火する射出推進方式が採用され、これによって後方爆風を抑え狭い場所や車上でも発射可能となりました。
この01式軽対戦車誘導弾は普通科部隊に84mm無反動砲の後継として配備されました。しかし車両以外の目標への射撃が困難であること、用途が限られることなどから2010年度に調達が終了し、その補完として84mm無反動砲(B)が調達されています。
01式軽対戦車誘導弾の調達数は2001年度から2010年度までに1073セット。写真の01式軽対戦車誘導弾は兵庫県伊丹駐屯地の第36普通科連隊が保有している物です。
発射機本体の上に載せられた夜間照準具。日本電機製で、大きな赤外線センサーのレンズがありますね。
発射機本体下部。鎖が通っている所にトリガーがあり、蝶ボルトで留められている部分はバッテリーのようです。
裏側から見た発射機本体と夜間照準具。それぞれに接眼部があり、発射機本体のグリップには操作ボタンが配置されています。
最後に説明書き。
・・・以上、めんどくさいことだらけ。