煙樹ヶ浜にて
5月31日に行われた和歌山駐屯地創立52周年記念行事。その際に撮影した陸上自衛隊の各装備品を掲載しています。だいぶんネタを消化してきましたので、次回で和歌山駐屯地ネタは終了。
今回はOH-6D 31310号機です。他の駐屯地からやって来た装備品は最初の方で撮影していたので掲載が早かったのですが、このOH-6Dは最後から2番目となりました。
OH-6Dは陸上自衛隊が導入している観測ヘリコプターで、原型はアメリカのヒューズ・ヘリコプターズ社が開発したOH-6です。
OH-6はアメリカ陸軍が1960年に出した軽観測ヘリコプターの提案要求に応えて開発された観測ヘリコプターで、1963年に初飛行、1965年に生産開始、1966年にアメリカ陸軍で運用を開始しベトナム戦争ではAH-1と組んで大きな戦果を上げました。
最終的には1434機が生産され、民間型のMD500としても販売されています。アメリカ陸軍では「カイユース」という愛称が付けられていました。
OH-6は小型・軽量で整備性が良好で飛行性能も高く、優れた信頼性と安全性を備えているヘリコプターで、より観測・偵察能力を高めるために卵形の胴体となっています。そのことからフライング・エッグという別名も付けられていますね。
陸上自衛隊では基本型のOH-6Aの日本向けであるOH-6Jを導入しており、川崎重工がライセンス生産を行いました。導入は1969年から1979年までで機数は117機。その他海上自衛隊や海上保安庁、民間でも採用されています。
1979年からOH-6Dに調達が切り替えられ、1997年までに193機が導入されました。生産途中から暗視ゴーグル対応操縦席や赤外線暗視装置、赤外線照射装置などが追加されています。
初期の機体から用途廃止機が出てきており、後継としては国産のOH-1が開発されていますが、OH-6Dを置き換える十分な配備が行われていないためしばらくは現役のままとなりそうです。
本来の観測任務の他にヘリコプター操縦要員の教育にも使用されており、練習機の後継としてはTH-480Bが調達されており、置き換えが進んでいます。
OH-6Dは全長9.24m、全高2.73m、最大離陸重量1200kg、メインローラーブレード枚数5枚、メインローター直径8.5m、超過禁止速度は152ノット、巡航速度は135ノット、実用上昇限度は4450m。
エンジンはアリソン製モデル250C20Bで最大出力は420shp。航続距離は361nm、乗員2名の他後部に2名が搭乗する事が可能です。
写真の31310号機は明野駐屯地の第3師団第3飛行隊に所属する機体で、赤外線暗視装置のマウントを装備していますね。
この日は災害動態展示に参加するため飛来しており、煙樹ヶ浜の上空を通過して行きました。和歌山駐屯地の災害動態展示は陸を車両が、海を94式水際地雷敷設装置が、空をOH-6Dがパレードするという、陸自だけで陸海空が揃う珍しいパレードと言えますね。
・・・以上、かなり近寄れるレンズだなぁ。ぽっぽやがお送りしました。