南紀白浜空港にて
昨年9月13日に南紀白浜空港で開催された空の日フェスタ2014。そこで展示された海上保安庁のJA954A MA954 サーブ340Bの写真を掲載したいと思います。
今年も空の日フェスタが開催され、日程が9月12日と迫ってきているので、1年が経つ前になんとか掲載したいと思い本日掲載する事にしました。
サーブ340はスウェーデンのサーブ社とアメリカのフェアチャイルド社が開発した双発ターボプロップ旅客機で、当初はSF340という名称でしたが、1985年にフェアチャイルドが生産から撤退し現在の名称となっています。
海上保安庁が採用しているのは改良型のサーブ340B+の捜索救難仕様で、エンジンをGE製CT-7-5A2から出力向上型のCT7-9Bに換装しAPUを搭載、翼端の形状を変更したタイプです。
メーカー側名称は340B plus SAR-200。海上保安庁での制式名称はサーブ式SAAB340B型。現在の所、警備・捜索救難用途でサーブ340を使用しているのは海上保安庁のみです。
サーブ社では洋上監視など多用途に使用できる340 MSAという派生型を開発しており、昨年のファーンボロー国際航空ショーに出展するなど売り込みを図っています。
海上保安庁のサーブ340Bは胴体の下面に捜索用レーダーと自動追尾式の赤外線カメラ、大型レーダー並みの解像度が得られる合成開口レーダーを装備しています。
合成開口レーダーはTelephonics社製のRDR-1700Bを採用し、このレーダーは気象レーダーの役割も兼ねています。赤外線カメラはFLIR社製のStarSafireシリーズを搭載している模様。
機内は人員輸送用の座席の他、座席を取り外して物資を輸送する事も可能です。機体の後部にはカーゴドアが設けられていますね。
海上保安庁では4機のサーブ340Bを導入しています。最初の2機は新規に購入したタイプで、1997年に就役しました。海上保安庁はサーブ340Bによってキングエア200を置き換える計画でした。
ところが1999年にサーブ社が事業見直しを行い生産を終了、3機目と4機目は中古で購入された物です。最初の2機は鹿児島航空基地に、後の2機は関西空港海上保安航空基地に配備されています。
関空基地に配備されている2機は通常の警備・捜索救難任務の他、同基地を拠点とする特殊警備隊の輸送も任務としています。
写真のJA954Aは三井物産エアロスペースの所有として2007年2月5日に新規登録され、同年3月30日に海上保安庁の所有、定置場は関西空港海上保安航空基地に変更されました。
毎年空の日フェスタにやってきている海上保安庁のサーブ340Bですが、この日は機内公開や帰投時にローパスを実施するなどいつも以上にサービス満点でした。
上の写真とは逆サイドから。珍しく機内公開が行われていました。
コクピット窓。正面の2枚は平面で両サイドの2枚は曲面ガラスとなっているのがわかりますね。
機首のレドーム。
エンジン。ゼネラル・エレクトリック製CT7-9Bターボプロップエンジンを2基搭載しています。このエンジンは1870軸馬力の軸出力を持っています。
後方から撮影したエンジンカウル。
機体右側のCT7-9B。
水平尾翼。
垂直尾翼。
機体尾部のAPU排気口。サーブ340B+以外はAPUを持たないため、地上では電源車の補助を必要とします。
機体尾部下面のフェンス。ブレードアンテナもいくつか見えますね。
前脚。
主脚。
翼端灯。翼端灯は船と同じく右側が青か緑、左側が赤と決められています。
主翼付け根の着陸灯。
ここからは機内の様子。見学は後部のカーゴドアから搭乗し、前部のエアステアから降りるというルートで行われていました。写真はカーゴドアから見た機体前方。
機内の様子。レーダーなどのコンソールが設置されている以外は、民間機とそう変わりませんね。
座席を取り外して貨物搭載スペースとした部分。
左右の大窓が設置された席。目視での捜索に用いるために設けられている物と思われます。
機外から見るとこんな感じ。非常口も隣接していますね。
物資投下口。
機外から見た物資投下口。
コクピットの様子。まさか見れると思っていなかったので感激です。アナログ計器が並んでいますね。
上部のスイッチ類。
左右の操縦桿周辺。
海上保安庁のSマークと機体記号のMA954、愛称「はやぶさ」の表記。
海上保安庁とJAPAN COAST GURARDの表記。
垂直尾翼のコンパスマーク。
胴体側面の国旗。
SAABの銘板。1994年製でシリアルナンバーは340B-363。340B-360から-459号機までが340B+に該当します。
朝9時頃、南紀白浜空港に降りてきたJA954A。
着陸滑走中。
すでに海上自衛隊のYS-11M-Aは到着済み、定期便のERJ170が誘導路で待機中。
滑走路端のターニングパッドで転回し戻ってきたJA954A。誘導路の手前で待機し、その間にERJ170が滑走路に出ます。
ERJ170が滑走路に出た後に誘導路に進入。狭い地方空港に中型機が3機も集まると色々と大変ですね。
エプロンに駐機中のYS-11M-Aと。
駐機後、機体の周りをコーンとロープで囲んで展示の準備中。
エプロンで展示されるJA954A。
潜水士の格好をした海上保安庁のマスコット、うみまるも来ていました。
空の日フェスタ終了後、エンジンを始動して帰投の準備をするJA954A。外来機では最初に帰投しました。
エプロンを進むJA954A。
滑走路端に向かってタキシング中。
ターニングパッドで転回。
離陸していくJA954A。天気が良ければ帰投シーンは順光で撮影出来るので嬉しいですね。
離陸後、空港の上空に戻ってきてローパスを実施してくれました。翼を振ってバイバイ。
最後に説明書き。
・・・以上、借金返した気分。ぽっぽやがお送りしました。