アジア太平洋トレードセンターにて
3月15日にアジア太平洋トレードセンターで開催されたOSAKA防衛・防災フェスタ。そこで撮影した陸上自衛隊の装備品を掲載しています。
今回掲載するのは94式水際地雷敷設装置。割とマイナーな装備品ですが、地元和歌山に配備されている装備とあって自分は何度も見たことがあります。
94式水際地雷敷設装置は、敵の着上陸侵攻を阻止するため海岸線に地雷原を迅速に構築するために開発されました。水際地雷と敷設装置が同時に開発されています。
開発を行ったのは防衛庁技術研究本部で、1987年から水際地雷の、1989年から敷設装置の開発が始まり、1994年に制式採用されました。
海岸線に水際地雷を敷設するという用途から車体は水陸両用車となっており、浜などから海上に進出してそのまま航行することが可能です。陸上での最高速度は50km/h、水上では6ktとなっています。
車体の両側にフロートが取り付けられており、後部にはスクリューが備えられています。陸上ではフロートは車体上部に折りたたむことが出来ます。
敷設する94式水際地雷には儀燭鉢況燭あります。儀燭歪青貅阿捻瀏彎侶曽任△蝓外径45cm、高さ14cm、重量約40kgとなっています。起爆は磁気・振動の複合信管によって行われます。
況燭老鍵歇阿捻濺侶曽任△蝓外径30cm、高さ65cm、重量約45kg。小型舟艇などの音響を感知して浮上した後、磁気感応信管によって起爆します。水深3m以上のエリアに敷設されます。
またどちらも磁気発火速度は調定することが可能で、遅延発火機構や航過計数機能も備えられています。敷設から一定時間が経過した後に自爆する機能もありますね。
94式水際地雷は敷設装置の敷設器に搭載され、その敷設器が敷設装置の車両部に搭載されて展開器などにより敷設が行われます。敷設軌条は上下2段の物が4条あり、最大72個の水際地雷を搭載する事ができます。そして敷設装置は72個全てを1時間で敷設する能力を持っています。
なお荷台には敷設器の他に人員搭載ユニットなどを搭載する事が可能で、人員・物資の輸送も可能な車両として運用することもできます。
2001年以降はGPSを搭載した94式水際地雷敷設装置(B)が調達されています。写真の94式水際地雷敷設装置も恐らく製造年からB型ではないかと思われます。
調達は2005年で終了し、配備は施設群隷下の水際障害中隊と施設教導隊に行われました。写真の94式水際地雷敷設装置は和歌山駐屯地の第304水際障害中隊に配備されている物です。
94式水際地雷敷設装置の前面。独特の表情をしていますね。
後方から撮影した94式水際地雷敷設装置。
後面。車体の下部に2基のスクリュープロペラが見えますね。
スクリュープロペラのアップ。94式水際地雷敷設装置にはタイヤだけを駆動するモード、スクリューだけを駆動するモード、どちらも駆動するモードの3つのモードがあります。
左右のハッチ周辺。ハッチは上方に跳ね上げて開閉します。
ライト周り。フェンスが設置され、密閉された構造となっていますね。
フロート揚降用の油圧モーター周辺。片側2基の油圧モーターでフロートを展開・格納します。折りたたまれている先端部は人力で展開されますね。
タイヤ。かなり大きなサイズの物が使用されています。
自衛官とのサイズの比較。
第304水際障害中隊のロゴマーク。一時は見られなくなっていた物で、今回復活していたので少し驚きました。
最後に銘板。
・・・以上、意外とでかいOH-1。ぽっぽやがお送りしました。