アジア太平洋トレードセンターにて
3月15日にアジア太平洋トレードセンターで行われたOSAKA防衛・防災フェスタで展示された、陸上自衛隊の81式自走架柱橋。前回に続いて今回も施設科装備です。
81式自走架柱橋は河川や地隙などに架柱橋を迅速に架橋し、部隊を通過させるための装備品で、74式特大型トラックをベース車両とし、橋脚・橋桁及び架橋器材が搭載されています。
橋桁は二つ折りになって搭載されており、水平に繰り出した後に連結されます。先端部には架柱が取り付けられていますね。
架橋作業はまず橋桁を連結した後、油圧アームで橋桁を持ち上げ、設置予定地まで移動した後アウトリガーで車体を固定、架柱を立てて設置します。その後アームを切り離し、設置した橋桁の上に次の81式自走架柱橋がバックで進入して同様に作業を行い、橋桁同士を接続する、という流れになっています。
81式自走架柱橋は1両あたり10mの橋桁を搭載しており、6両で1ユニットとなっているので最大60mの橋を架けることができます。
浮橋と異なり水際でなければ設置できないという事もなく、河川などの他に陸上の高低差のある部分や塹壕等にも設置する事ができるため、汎用性は高い物となっています。
橋桁の幅は3.75m、通過可能重量は42tまでで、74式戦車以下の重量の車両であれば通過が可能となっています。10式戦車でも一部の装甲を外せば通過できますね。
現在この81式自走架柱橋は調達されていません。後継として90式戦車や99式自走155mm榴弾砲でも通過可能な07式機動支援橋が開発され、配備が行われています。
写真の81式自走架柱橋は、京都府大久保駐屯地に駐屯する第3師団隷下の第3施設大隊本部管理中隊が保有するものです。
橋桁を折りたたんで搭載した状態の81式自走架柱橋。
橋桁。1枚で5mの長さがあります。
橋桁の連結部分。ケーブルも渡されていますね。
橋桁の裏面。42tの重量に耐えるために頑丈な造りとなっています。
架柱。高さは2mから4mまで油圧で簡単に変更できます。
架柱の土台部分。取り付け・取り外しは人力で行われます。水抜き用の穴がありますね。
架柱の基部。架柱を水平にした後、内側に折りたたむことができる構造となっています。
車体部分。油圧ジャッキやアウトリガーなどかなりごちゃごちゃしていますね。操作時には携行缶隣のラックに操作盤が置かれます。
橋桁を保持する油圧アーム。
最後に説明書き。
・・・以上、秋は面白いのかも知れない。鉄道員日記がお送りしました。