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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 護衛艦しらね 73式54口径5インチ単装速射砲

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舞港・護衛艦しらね艦上にて

さて、本来であれば南紀白浜空港で撮影したTC-90を掲載すべきなのですが、色々な事情により護衛艦白嶺の装備品を掲載します。

前回はミサイル発射装置3形を掲載しましたね。今回はその続きとして、73式54口径5インチ単装速射砲を掲載します。今回の写真は昨年7月26日の舞地方隊展示訓練で撮影した物。

73式54口径5インチ単装速射砲はアメリカ海軍が開発したMk42 5インチ砲の海上自衛隊での名称であり、Mk42(J)Mod-N7という名称もあります。

Mk42はアメリカ海軍が戦後第1世代の5インチ艦載砲システムとして開発した物で、大戦末期に登場したジェット機に十分対処しうる艦載砲システムとして開発されました。

従来のMk38 5インチ連装砲の発射速度・発射弾数を単装で達成することが要求され、結果開発されたMk42は従来の5インチ砲を上回る発射速度と旋回性能を持ち、高い追随性能を有する砲となりました。

Mk42は砲塔とその下にある上部揚弾機構、管制盤のある換装室、下部揚弾機構、弾火薬供給所で構成されており、1つの砲塔に対して2系統の給弾機構を設置することで、発射速度を向上させています。

一方で優れた性能を発揮するため機構が複雑化しており、信頼性はやや低いようです。最大発射速度は毎分40発ですが、実運用では28発程度に落としているようで。

アメリカ海軍では1953年に配備が始まり、ミッチャー級駆逐艦から搭載されました。海上自衛隊では1967年に就役したたかつき型護衛艦から搭載を開始しています。

約67トンと重量があるため、艦の大きさがある程度なくてはならず、海上自衛隊ではたかつき型の他にはるな型、たちかぜ型、しらね型、はたかぜ型に搭載されています。

その内現役なのはしらね型2番艦「くらま」とはたかぜ型のみ。イベントで迫力ある空砲を披露してくれる砲なのですが、見られなくなる日もそう遠くはないようです。

しらね型護衛艦では艦首に背負い式で2門を配置しており、前方の砲が51番砲、後方が52番砲と故障されます。砲射撃指揮装置は72式射撃指揮装置1型。

現在は古い砲となったこのMk42ですが、搭載艦が中古で輸出されるなどして使用国は増えており、合計で10ヵ国の海軍に採用された砲となっています。

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52番砲を上の写真とは逆サイドから撮影。

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砲身部。砲身はL54 Mk18です。

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砲塔。砲塔は砲システムと同じ番号のMk42砲塔。

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砲塔操縦士用のドーム。かつては左右両側に設置され左側が対水上射撃用、右側が対空射撃用でした。艦の射撃照準装置が故障した場合の砲側照準用。

初期型では両側にドームがありましたが、後期型では対空射撃用の物が廃止され、蓋でふさがれていますね。

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51番砲。近すぎて立ち入り可能区域の端まで寄っても入り切りませんでした。しらね型の51番砲の上部にはN-AT-188空中線が設置されています。

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正面から撮影した51番砲の排莢口と薬莢受け。発射後速やかに薬莢が排出されます。

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薬莢受けのバスケット。砲の仰角によっては薬莢が飛び出していきそうな気もしますね。

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教練用の模擬弾と薬莢。艦によって触らせてくれる・くれないの差があるようですね。

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訓練海域に向かう途中で繰砲展示を行った52番砲。

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展示訓練で空包射撃を行った51番砲と52番砲。間近で見たのでかなりの迫力がありました。

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艦橋から撮影した51番砲と52番砲。

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展示訓練を終えて舞東港に帰ってきた後、砲内部の清掃を行っていました。

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「しらね」が2014年度末に退役すると言うこともあり、51番砲の扉にはこのようなマーキングが。「我々は神を信じ、それ以外の全てを追跡する」

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最後に説明書き。


・・・以上、空砲発射時の音は「バキーン」だった。鉄道員日記がお送りしました。

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