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横浜港にて
今年10月17日に撮影した海上自衛隊のましゅう型補給艦1番艦AOE-425「ましゅう」。観艦式の事前公開で横浜大さん橋から撮影した写真です。
ましゅう型補給艦は海上自衛隊が保有している最も新しく大きい補給艦で、前級のとわだ型補給艦を大型化して補給能力を向上し、任務の多様化にも対応した改良型として設計されました。
船体は長船首楼型で、艦首には上甲板への波浪の影響を低減するため1層分の船首楼が設けられています。従来は同じ目的でブルワークが設置されていましたが、ましゅう型にはブルワークはありません。
船首はハルバスバウとなっており、船首から伸びる船体のラインも絞り込まれた形となっています。これにより抵抗を低減し、かつ補給物資搭載スペースを広く確保するために船体は上下で幅が大きく代わりはっきりとしたナックルラインを見ることができますね。
船尾も同様に絞り込まれた形を取っており、上から見ると船体平行部の少ない船型となっています。上部構造物はステルス性を考慮し角張った形で傾斜が付けられています。
機関は海上自衛隊の補給艦として初めてガスタービンエンジンが採用されています。これは護衛艦の機関にガスタービンエンジンの採用が増え、それに随伴する能力が求められた為。
エンジンはロールスロイス製スペイSM1Cが2基搭載され合計出力は40000馬力、推進器は可変ピッチプロペラ2軸です。水中放射雑音を減らすためプロペラは大径・低回転数化されています。
エンジン出力は大型化した船体を補って余りある物で、より小さい前級のとわだ型よりも速力が向上しています。発電機は所用電力が増えたため1500キロワットのガスタービンア発電機3基とディーゼル発電機1基が搭載されています。
補給能力は補給物資搭載量の増加により大幅に向上しており、補給方式としてはスパンワイヤ方式・ハイライン方式及び航空補給が用いられます。
補給ステーションは片側3カ所の6カ所あり、とわだ型では門型だったのが艦橋からの視界改善のために物ボール型となっています。艦首側から艦艇燃料用の第1・2ステーション、ドライカーゴ用の第3・4ステーション、艦艇燃料・航空機燃料・真水用の第5・6ステーションが配置されています。
船体内にある燃料など液体補給品のタンクは弾薬庫の防御構造の一部となっており、弾薬庫の下部に貨油用タンク、左右に真水用タンク、前後に補給用燃料タンクが配置されています。
ドライカーゴは船体各部に倉庫があり、それを結ぶように第2甲板の両舷側に移送用の補給通路が設置されています。補給通路上にはレール上を移動するサイドフォークが設置されています。第2甲板と第1甲板を結ぶ昇降機は艦の中央両舷と後部左舷に設置されていますね。
船体後部には飛行甲板があり、MH-53Eクラスの大型機が着艦する事が可能となっています。ヘリコプターによるVERTREPにも対応しています。飛行甲板の前方には飛行甲板荷扱所が設けられており、航空補給される物資が集積されます。また艦載ヘリの格納庫として使用することも可能です。
ましゅう型には病院船機能も付与されており、医療区画は手術室、集中治療室、レントゲン室、歯科治療室など充実しており、入院設備も46床を備えています。これによってましゅう型は海上自衛隊の艦艇で最も医療能力が高い艦となりました。
武装は特に搭載されていませんが、自衛用に高性能20mm機関砲が搭載される計画があり、艦首と飛行甲板荷扱所の上部に搭載スペースが確保されています。電子戦装備としてNOLR-8B電波探知装置が搭載されており、対艦ミサイルに対するソフトキル手段としてMk137チャフ・フレア発射機を装備しています。
ましゅう型補給艦は基準排水量13500トン、全長221m、幅27m、深さ18m、喫水8m、最大速力24ノット、航続距離9500海里、乗員145名というスペック。
写真のAOE-425「ましゅう」は三井造船玉野事業所で建造され、2002年1月21日に起工、2003年2月5日に進水、2004年3月15日に就役しています。
配備先は補給艦が集中配備されている第1海上補給隊で、定係港は舞基地となっています。この日は観艦式に参加するため横浜に来ており、在日米軍が管理する横浜ノース・ドックに係留されていたため一般公開は行われていませんでした。
・・・以上、2回目の撮影。鉄道員日記がお送りしました。