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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上保安庁 ひめぎく型巡視艇 CL165「てるぎく」アジア太平洋トレードセンター

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アジア太平洋トレードセンターにて

アジア太平洋トレードセンターで行われたOSAKA防衛・防災フェスタで撮影した海上保安庁のひめぎく型巡視艇155番艇「てるぎく」。展示を行っていたわけではありませんが、撮影する事ができました。

ひめぎく型巡視艇は海上保安庁が1992年から2011年にかけて建造したCL型巡視艇で、建造数が非常に多く全国に配備されているため、これが一番よく見る海保の船艇という方も多いと思います。

海上保安庁は設置間もない1949年より国産巡視艇の整備を開始し、まず15メートル型CLが登場しました。改良を加えられつつ建造が続けられましたが、装備が増えた為に船体の限界に達し、ちよかぜ型を最後に18メートル型に移行します。

平成に入ってからちよかぜ型の置き換えが始まり、これは更に大型化される事となりました。こうして登場したのが20メートル型CLのひめぎく型です。

ちよかぜ型は96隻が建造され巡視艇の最多建造記録を樹立した巡視艇で、その後登場し64隻が建造された18メートル型のやまゆり型巡視船もひめぎく型で置き換えることとなりました。

結果として合計160隻の巡視艇を置き換えることとなり、これがひめぎく型が大量建造された理由です。2011年までに161隻が建造・就役しました。

船体は高張力鋼製のより滑走性能の良い物とし、上部構造物をアルミ合金製として軽量化し速力向上を図っています。これは取締対象のプレジャーボートや小型漁船の高速化に対応した物。

主機関も従来より強化されており、V型12気筒4サイクルディーゼルエンジンを2基搭載しています。エンジンはMAN社製の物とMTU社製の物があり、MAN社製はD2842LYEを、MTU社製は12V183TE92を採用しています。それぞれ単機出力は910馬力。

大型化に伴って居住性が向上しており、巡視艇としては初めて簡易シャワーが設置されました。建造が長く続いたため、途中で様々な改良が施され、大きく4グループに区別されています。

1番艇~47番艇までは原型で、36番艇「とよかぜ」及び48番艇以降は船体幅を20センチ増やし定員を1名増の6名とした幅広型、59番艇~61番艇・82番艇・83番艇・104番艇の6隻は幅広型の推進機関をウォータージェットに変更した浅海面対応型です。

110番艇以降は主機関を2040馬力に強化し上部構造物の防弾性を高めた代わりに放水銃を廃止した警備機能強化型で、写真の「てるぎく」も警備機能強化型ですね。

ひめぎく型の整備は2001年度第2次補正計画をもって一旦終了していましたが、2005年度補正計画で再開されました。再開後に建造されたひめぎく型には夜間監視装置を搭載しています。

ひめぎく型巡視艇のスペックは、総トン数24トン、全長20m、全幅4.30m(幅広型は4.5m)、深さ2.30m、喫水0.88m、最大速力30kt、航続距離200海里、乗員5名(幅広型は6名)というもの。

なお当初は1番艇の名前が「すずかぜ」だったためすずかぜ型巡視船とも呼ばれますが、現在は「ひめぎく」に改称されたためこのブログでは「ひめぎく型巡視艇」として扱っています。

写真のCL-165 155番艇「てるぎく」は2009年度計画20メートル型巡視艇として長崎造船で建造され、2009年9月8日起工、翌年2月29日進水、3月30日に就役しています。配備は第五管区海上保安本部大阪海上保安監部。

この日はアジア太平洋トレードセンター近くの岸壁に護衛艦が入港するとあって、その出入港警戒にやって来ていました。

イメージ 3

右後方から撮影した「てるぎく」。

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正面から撮影。正面中央の窓の上に搭載されているのが夜間監視装置。赤外線カメラと思われます。

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ほぼ真後ろからの撮影。警備機能強化型は放水銃を廃した代わりにガソリン駆動のポンプと脱着式の放水ノズルを装備しています。

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護衛艦の出港時刻に再び現れた「てるぎく」。側面の表記がしっかり「自衛艦出港警戒中」となっています。

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大阪府警の警備艇「なにわ」と。


・・・以上、海保ネタも溜まってるんだよなぁ。ef_end_63がお送りしました。

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