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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上保安庁 はてるま型巡視船 PL66「しきね」横浜港

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横浜大さん橋にて

横浜大さん橋から撮影した海上保安庁のはてるま型巡視船6番船「しきね」。護衛艦「いずも」の艦艇広報の際に撮影した写真で、「しきね」の写真はこの1枚だけです。

はてるま型巡視船は海上保安庁のPL型巡視船で、公称船型は1000トン型。尖閣諸島周辺の警備に関して巡視艇やヘリに補給を行うことが出来る巡視船として設計されました。

尖閣諸島周辺では海上保安庁が常時巡視船を派遣していますが、より小回りのきく巡視艇は拠点となる石垣島から約170km離れているため派遣時の乗員の負担が大きいと言う問題がありました。

2004年3月に魚釣島に中国人活動家が上陸するという事件が発生し、この際に巡視船は規制に失敗して上陸を許してしまいました。この事件以降尖閣諸島周辺の警備体勢が見直されることとなり、従来よりも多くの搭載艇を備え巡視艇・ヘリに対して補給を行える大型巡視船として建造されたのがこのはてるま型です。

船型はあそ型及びひだ型巡視船を基本とした長船首楼型で、巡視艇を横付けして補給を行う為に横揺れを減らす目的で断面形状は角型に近くなりました。

重量軽減のため船質はアルミ合金となっており、船体後部にはヘリ甲板が備えられています。減揺装置は減揺タンクとフィンスタビライザー。

主機関はディーゼルエンジン4基で推進器はウォータージェット4基となっています。またバウスラスターも装備されているようですね。

武装はあそ型・ひだ型に準じたボフォースMk3 40mm単装機銃が搭載される予定でしたが、コスト削減のためブッシュマスター 30mm機銃に変更されています。その他放水銃も備えており、毎分2万リットルの放水能力を備えています。どちらも船首に搭載されていますね。

搭載艇は7メートル型複合艇と4.8メートル型複合艇を2隻ずつ搭載しています。ただしこの6番船「しきね」以降は3隻に削減されています。

操舵室上部にはFCSの機能を持つ赤外線捜索監視装置と遠隔監視採証装置が取り付けられており、またヘリが撮影した映像を受信し衛星経由で地上に転送するシステムも備えています。

巡視艇への補給能力はPC型であれば3隻、CL型であれば4隻を同時に支援可能です。しかし高速航行を重視した船型であるため停船時の動揺が大きく波浪が大きい海域で実施するのは難しいようですね。

このはてるま型は9隻が建造され、当初はしれとこ型巡視船を置き換えるかと思われましたが、警備能力を重視したために汎用性が低く、後により汎用性を高めたくにがみ型巡視船が登場しています。

はてるま型巡視船は総トン数1300トン、全長89m、全幅11m、深さ5m、最大速力30ノット以上、乗員30名というスペックです。

写真の「しきね」は2008年7月15日に起工、2009年4月16日に進水し2010年10月7日に就役しました。配備は第3管区海上保安本部横浜海上保安部。


・・・以上、ネタに困った。ef_end_63がお送りしました。

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