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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 ATS-4202 訓練支援艦「くろべ」横浜港

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横浜港にて

昨年10月17日に艦艇広報を行った海上自衛隊のATS-4202 訓練支援艦「くろべ」。観艦式に関連するイベントでの広報で、横浜港ではこの他に護衛艦「いずも」や潜水艦救難艦「ちはや」が広報を行いました。

訓練支援艦「くろべ」は海上自衛隊が運用している対空射撃訓練支援専門の艦で、「訓練支援艦」という艦種は海上自衛隊独自のものであり他の海軍ではあまり見られません。

対空射撃訓練に使用する無人標的機の母艦としての機能が与えられており、海上自衛隊の訓練支援艦としては2隻目に就役しました。

海上自衛隊では1957年から米海軍より供与を受けて無人業手利きの運用を開始し、当初は警備艇や護衛艦を改装して母艦としていましたが、1969年には専用の新造艦として「あづま」が就役しました。

この「くろべ」は「あづま」の旧式化に伴い「あづま」を補完する目的で建造された訓練支援艦です。因みに「あづま」の後継は「くろべ」改良型の「てんりゅう」です。

運用している標的機はBQM-34AJ改ファイアービー4機とMQM-74Eチャカ4機の合計8機で、標的機多重管制装置により最大3機まで同時管制を行うことが出来ます。

マストの根本部分に4面に向かってフェイズドアレイレーダーが装備されており、これによって標的機の誘導や標的機からの自機情報の受信、艦側からの指令の送信を行います。

その他訓練対象から発射されたミサイルを追尾する為のレーダーも搭載されており、こちらは露点艦橋の後部に白い大きなレドームが設置されています。

その他に標準的な装備としてOPS-14C対空レーダーとOPS-18対水上レーダーを装備しています。

武装としては艦種に62口径76mm単装速射砲を1基装備しており、これの射撃管制装置として81式射撃指揮装置2型22Dが装備されています。この武装は操縦不能になった標的機が自艦に衝突する恐れが生じた際に撃墜するために装備されている物。

諸外国では標的機の発射に既存の艦底を使用している場合が多いですが、このような訓練支援艦を運用するメリットとして、護衛艦のスケジュールに影響を与えない、多重管制により同時・多方向から攻撃を受けている状況を作り出せるといったメリットがあります。

このATS-4202「くろべ」は1987年7月31日に起工し1988年5月23日に進水、1989年3月23日に就役しています。建造は日本鋼管鶴見造船所で行われました。

就役後は自衛艦隊の直轄艦、その後護衛艦隊の直轄艦となりましたが、2008年3月26日に第1海上訓練支援隊が新編された為「てんりゅう」と共に編入されています。

「くろべ」は基準排水量2200トン、全長100.5m、全幅16.5m、喫水3.97mというサイズでエンジンは富士ディーゼル8MG28HXを4基搭載し推進機関はスクリュープロペラ2軸となっています。最大速力は20ノット。

この日は横浜新港埠頭で「ちはや」と共に艦艇広報を行っていました。以前和歌山港でも艦艇広報を行ったことのある艦なので、自分にとっては二度目の見学でしたね。

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艦尾。後部は飛行甲板となっており、ここから標的機の発射を行います。

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飛行甲板。護衛艦の飛行甲板と異なるのは標的機の発射台を移動させるための溝があることで、基本的に左舷方向に向けて発射するようです。また作業員待避用のハッチもありますね。

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標的機格納庫。標的機の格納や艦上整備が行われる場所ですね。通常この格納庫に格納されるのは大型のBQM-74AJ改の方で、中型のMQM-74Eは船体内の格納庫に格納されているようです。

上部には標的機管制室や標的機回収用のデッキクレーンが設置されていますね。

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標的管制室の拡大。上部には水平灯や可動式の監視カメラなどが設置されています。以前は左舷側にミサイル評価装置のレドームがあったのですが、現在は台座のみとなり、代わりにレーダーのアンテナらしき物が設置されています。改修を受けたのでしょうかね。

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高速無人標的機BQM-74Eチャカ掘3頁叱貌發播玄┐気譴討い泙靴拭この標的機はアメリカのノースロップ社が開発し米海軍が採用した物で、1982年に導入が開始されました。

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艦首の62口径76mm単装速射砲。「てんりゅう」も同じ76mm砲を装備しています。「あづま」ではMk22 50口径3インチ単装緩射砲が装備されていました。

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舷側通路。

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潜水艦救難艦「ちはや」と。「ちはや」の幅の広さが解ります。

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最後に「くろべ」の自衛艦旗。


・・・以上、大銀幕は良いアルバムだなぁ。鉄道員日記がお送りしました。

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