和歌山港にて
昨日撮影した海洋研究開発機構の海洋調査船「新青丸」。AISを眺めていると紀伊水道にこの船が居ることに気付き、監視を続けていると和歌山港に入港したので撮影してきました。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の海洋調査船は以前「かいよう」が和歌山港に入港したのを撮影したことがあり、この「新青丸」は自分が撮影した2隻目のJAMSTECの船です。
「新青丸」は東日本大震災後の東北の海洋生態系調査を主な目的とする船で、「東日本大震災復興関連事業」及び「東北マリンサイエンス拠点形成事業」などに使用されれています。
東日本大震災は大規模な自然変動とそれに伴う生態系の変化を発生させており、その実態把握と修復プロセスのモニタリング、生態系の修復・変動に関わるメカニズムの解明を任務としています。
海洋環境観測・海洋気象観測・海底地形測定といった海洋調査船の基本機能の他に、計量魚群探知機による生物資源量の定量的測定機能や海底下浅部地層測定機能、海底地質サンプリング機能もあり、また遠隔操縦型無人探査機(ROV)も搭載されています。
船体は長船首楼型で後部の甲板は広いスペースが確保されています。常時搭載されない観測機器などは後部のスペースに搭載されるのでしょうかね。
この「新青丸」は電気推進方式を採用しており、機関は1250kWの主発電機3機と320kWの補助発電機1機となっています。推進器はアジマススラスタ2基ですね。
アジマススラスタは360度回転するポッドにスクリューを装備した物で、船首のバウスラスタと共に自動船位保持システムにより高い操船性を実現しています。
この「新青丸」は総トン数1629トン、全長66m、全幅13m、喫水4.5m、深さ6.2mというサイズで、最大速力は13.2ノット、航海速力は12ノット、航続距離は約6500マイルとなっています。
定員は乗員26名と研究者等15名の41名で、船籍港は岩手県の大槌港。建造は三菱重工下関造船所で行われ、2013年6月30日に就航しました。就航以来運行・管理業務は日本海洋事業に委託されています。
正面からの撮影。
ほぼ真横からの撮影。
上部構造物。船内には各研究室やサンプル保管庫などが設置されています。
ブリッジ。中央部が前方にせり出していますね。
マスト。ブリッジ上部のマストにはレーダーや航海灯が設置されていますが、後部のマストには風速風向計が設置されています。2つのマストの間には衛星通信用のアンテナが見えますね。
船首部のマスト。見たところ航海灯と風速風向計が設置されていますが、それ以外にも何か観測機器等が設置されているのかも知れませんね。
上部構造物の後部周辺。煙突は左舷側に寄せて配置され、2つファンネルマークが描かれています。1つはJAMSTECの物ですが、もう一つはJURCAOS(東京大学大気海洋研究所全局共同利用・研究拠点)の物のようですね。
右舷側には観測室かウィンチ操作室と思われる後ろ向きに窓の付いた部屋がありますね。
後部甲板部分。船尾にはAフレームクレーンが設置され、ROVをこのクレーンで展開・揚収するようです。その他多関節クレーンがいくつか設置されているのが見えますね。
後部甲板に搭載されたROV。カナダ製の3000m級無人探査機「ハイパードルフィン」ですね。このROVの支援母船は「なつしま」と「かいよう」のはずですが、「新青丸」もそこに加わったのでしょうかね。
最後に船名と錨の周辺。喫水線付近にバウスラスタとバルバスバウの表記がありますね。
・・・以上、入出港も撮りたかった・・・鉄道員日記がお送りしました。