護衛艦まつゆき艦上にて
2014年7月27日に海上自衛隊舞基地で行われた舞地方隊サマーフェスタ。様々な艦艇が展示されましたが、まず乗艦したのが護衛艦「まつゆき」でした。
撮影順に掲載しているのでここ最近は「まつゆき」の装備品が集中していますが、だいぶん残りも少なくなってきました。今回掲載するのはミサイル発射装置3形です。
ミサイル発射装置3形は個艦防空ミサイルであるシースパローの発射機として使用されているもので、この8連装の発射機は割と有名な装備品でしょうか。
シースパローミサイルは1971年に配備が始まった艦対空ミサイルで、大きく分けてBPDMS、IBPDMS、ESSMの3種類に分けられてます。
最初のタイプであるBPDMSは、シーモーラーミサイルの開発遅延を受けて応急的に開発が始まったタイプであり、続くIBPDMSはNATOによって改良が行われたタイプです。
ESSMは従来の構造を一新し僚艦防空と近接防御が可能となりました。海上自衛隊はBPDMSから導入を開始しましたが、現在はIBPDMSとESSMを運用しています。
写真のミサイル発射装置3形はIBPDMSの発射機であり、はつゆき型、あさぎり型、はるな型、しらね型護衛艦に搭載されました。はるな型・しらね型はBPDMS用のMk25から換装されています。
米海軍などではIPDMSの発射機にMk29を使用しており、外見はミサイル発射装置3形とよく似ていますね。はつゆき型の1~5番艦もMk29を使用していたようです。
はつゆき型6番艦以降に搭載されているのがミサイル発射装置3形で、これはイタリアのオート・メラーラ社が開発した発射機を日本製鋼所がライセンス生産したものです。
Mk29に比べてミサイル発射装置3形は僅かに大きく重いのですが、旋回速度や俯仰速度はMk29と同等となっています。またマウントは76mm砲と共通化されています。
発射機に装填された状態で展示されていたシースパローの模擬弾。翼が折りたたまれた状態なのが解るでしょうか。通常は前後に合成樹脂製のカバーが取り付けられます。
銘板。防衛庁の銘板以外に「OTO-JSW」の銘板もありますね。このミサイル発射装置3形は1997年11月製。「まつゆき」の就役後10年ほど経って換装されたようです。
・・・以上、意外と知らないイタリア製。ef_end_63がお送りしました。