護衛艦みょうこう・護衛艦しらね艦上にて
2014年7月26・27日に撮影した海上自衛隊のこんごう型護衛艦3番艦「みょうこう」のAN/USC-42衛星通信アンテナ。舞地方隊展示訓練とサマーフェスタの際に撮影した写真です。
AN/USC-42はアメリカ海軍が運用している衛星通信システムに接続する為の通信ターミナルで、通信にはUHF帯を使用します。正確にはアンテナ部の名称はAV2099だそうですが、この記事ではUSC-42とします。
海上自衛隊では米海軍と直接通信を行う必要がある艦にこのアンテナが搭載されており、艦隊の指揮艦となるヘリコプター搭載護衛艦やイージス艦で見ることが出来ます。
米海軍は全軍共用の通信衛星の他にMUOSという独自の通信衛星を運用しており、戦術データリンクシステムの中継を行っています。送受信はAN/USC-42などの通信ターミナルで行い、暗号機や制御器などを介して艦艇の戦術情報処理装置に接続されています。
現在主流の戦術データリンクシステムであるリンク16はUHF帯を使用するため、通信可能距離は見通し線内のみとなっており、より拡大するために衛星経由での通信が行われています。
衛星通信に際して使用されるのがS-TADIL Jシステムであり、これは要求時割付多元接続(DAMA)を採用しています。DAMAは発信局から通信の要求があったその都度に、制御装置により一定周波数の中継器を割り当て、通信終了後はその中継器は空き状態となり次の通信要求を待つというしくみ。
リンク16は海上自衛隊においてこんごう型4番艦の「ちょうかい」で初めて装備され、1~3番艦も従来のリンク11/14に加えてリンク16に対応しました。
1~3番艦は当初、このAN/USC-42ではなくAN/WSC-3衛星通信装置を搭載していましたが、就役後にAN/USC-42に換装されています。
衛星通信アンテナは死角を補い合うために2基以上装備されるのが基本で、こんごう型護衛艦の場合はCIWSの後部上方とマストの後方に装備されています。
・・・以上、寝ずに頑張るべきか。ぽっぽやがお送りしました。