和歌山港にて
和歌山港沖で6月4日に行われた海上保安庁第5管区海上保安本部の展示訓練。その展示訓練に参加した海上保安庁の船艇を掲載してきましたが、遂に今回で最後となりました。
最後に掲載するのはひめぎく型巡視艇121番艇CL131「そらかぜ」。ひめぎく型はこの日だけで「そらかぜ」を含めて4隻撮影しており、段々と書く内容も同じになってきていますね。
ひめぎく型巡視艇は海上保安庁の巡視艇としては最も多く建造されたタイプで、CL型巡視艇に区分され公称船型は20メートル型です。現在までの建造数は163隻。
ひめぎく型の建造目的は15メートル型CLのちよかぜ型を置き換えることでしたが、このちよかぜ型が96隻も建造されており、その次級で64隻建造されたやまゆり型も置き換えることとなったため、この建造数となりました。
ひめぎく型では小型船が従来よりも高速化していることに対応して、船体の滑走性を向上し、上部構造などにアルミ合金にして軽量化し速力の向上を図っています。
船体は高張力鋼製。エンジンはV型12気筒4サイクルディーゼルエンジンが2基搭載されており、合計出力は1820馬力。エンジンメーカーはMANとMTUの2社があります。
建造期間が1992年から現在までと長いため何度か改良が行われており、原型の他に幅広型・浅海域対応型・警備機能強化型があります。
幅広型は船体幅を20cm広げて定員を1名増やしたタイプで、浅海域対応型は幅広型の推進器をウォータージェットにしたタイプ、警備機能強化型は幅広型のエンジンを2040馬力に強化し、放水銃を廃止して防弾性を強化したタイプ。
警備機能強化型に該当するのはCL120「やぐるま」以降で、この「そらかぜ」も警備機能強化型です。またCL135「いそぎく」以降は赤外線監視装置を搭載しています。
写真の「そらかぜ」も船橋上に赤外線監視装置らしきものが見えるので、CL135以前の艇でも後日搭載している艇があるようですね。
CL131「そらかぜ」は2001年12月25日に起工し2002年2月25日に進水、3月29日に就役しています。建造は横浜ヨット。なお2002年3月29日はひめぎく型14隻が一気に就役した日です。
現在は関西空港海上保安航空基地に配備されています。配備当初は大阪特殊警備基地という基地名でしたが、2004年に八尾航空基地と統合され現在の基地名となっています。
海上保安庁の船艇は強行接舷のため船首側面に防舷材を付けている事が多いのですが、この「そらかぜ」は先端部にも防舷材がありますね。これは少し珍しいかもしれません。
白波を立てて和歌山港へ向かってくるシーン。
船首を流して撮影。
実際そんなに速度は出ていません。
関空基地へ帰る「そらかぜ」。巡視船「せっつ」と。
割とスピードを出しながら帰って行きました。
・・・以上、ケーソンは進んでいく。ef_end_63がお送りしました。