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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上保安庁 いわみ型巡視船 PL73「きい」和歌山港

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和歌山港にて

和歌山港で9月3日に撮影した海上保安庁のいわみ型巡視船3番船「きい」。和歌山海上保安部の所属で和歌山港を拠点に海上保安庁の各種業務を行っています。

この時までは地元の船でありながらこの「きい」の航行しているシーンを撮影したことがなく、この日ようやく動いているところを見ることが出来ました。

いわみ型巡視船は海上保安庁がしれとこ型巡視船の更新用として建造した1000トン型PLで、写真のPL73「きい」によって置き換えられた先代のPL104「きい」もしれとこ型の4番船でした。

2000年代に建造された1000トン型PLであるあそ型・はてるま型巡視船は警備能力を重視したタイプで、汎用性に欠けるためしれとこ型の代船とはなりませんでした。

またその次に建造されたくにがみ型巡視船は汎用性は確保した物の高価な巡視船となってしまったために、性能を多少犠牲にしてコストを削減したのがこのいわみ型巡視船です。

船体は鋼製の排水量型で、くにがみ型にあった航空機運用能力は省かれています。それに伴いフィンスタビライザーも廃止されていますが、ビルジキールが設置されています。

機関もくにがみ型と比べて小型・低出力の物が採用されており、ディーゼルエンジン2基で出力は8000馬力とされています。推進器はスクリュープロペラ2軸。最大速力は21ノット以上。

また船首にはハルバスバウが設置され、サイドスラスターも2基装備されました。煙突は曳航時の後方視界確保のために左右に分離しています。

武装としては赤外線捜索監視装置によって射撃管制を受ける30mm単装機銃を1基装備しています。これはブッシュマスター兇琉称で知られるチェーンガンですね。

また機銃の前方には高圧放水銃があり、毎分2万リットルの放水能力を備えています。この高圧放水銃は消火用としての用途の他に、制圧用の非致死性兵器としても使用されます。

船橋は指揮能力の集約が図られており、機関管制盤が設置されたほか操舵室の後方に作戦指揮室が設置されており、武器の管制や衛星・航空機・地上・他の巡視船艇との通信が行われます。また災害対策本部を設置する事も可能。

その他多目的室もあり、逮捕術の訓練や災害発生時は被災者の収容場所として活用されています。搭載艇としては高速警備救難艇と複合艇を2隻ずつ搭載しています。

船橋上部には先述の赤外線捜索監視装置の他に遠隔監視採証装置も搭載しています。これはレーザースキャンによる画像検出を行う装置ですね。また船橋側面にはLED表示器による防災情報表示装置が装備されています。

写真のPL73「きい」は2011年第3次補正計画船として三井造船他玉野事業所で建造されました。起工は2013年3月5日、進水は同年11月7日、就役は2014年7月31日です。

この撮影の数日前から「きい」は那智勝浦沖に停泊しており、戻ってくる事が解ったので撮影に出掛けました。逆光の入港シーンとはいえ撮影できて良かったですね。

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船首の各種装備品。前方から高圧放水銃、30mm機銃、船橋上に赤外線捜索監視装置と遠隔監視採証装置が搭載されていますね。

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船橋。やはり新しい船ということで船橋内もかなり広いようです。この時は防災情報表示装置を使用して118番やライフジャケット着用の啓発を行っていました。

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搭載艇。前方のダビットに高速警備救難艇が、後方の架台に複合艇が搭載されています。反対側も同じように搭載されており、合計4隻を搭載していることになりますね。

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赤灯台の向こうに姿を見せた「きい」。

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正面を向く「きい」。

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防波堤を越え目の前を通過して行きます。

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後方から。

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和歌山港のキリンクレーンを見ながら入港。

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岸壁手前で回頭。サイドスラスターがあるとこの作業も楽ですね。

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無事に接舷完了。ここで雲が切れ光が当たりました。


・・・以上、家にあるドカベンが所々抜けててむかつく。ぽっぽやがお送りしました。

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