和歌山港・護衛艦あけぼの艦上にて
さて、前回で潜水艦救難艦ちはやの装備の掲載が終わりましたので、今回からはむらさめ型護衛艦8番艦「あけぼの」の装備品を掲載していきます。
このあけぼのが和歌山港で艦艇広報を行ったのは2015年7月19日で、その前日に入港してきました。そして艦艇広報で最初に撮影した装備が今回掲載するOPS-24B対空3次元レーダー。
OPS-24は海上自衛隊が汎用護衛艦に搭載している対空捜索用の3次元レーダーで、世界で初めて実用化された艦載用アクティブフェイズドアレイレーダーです。
海上自衛隊ではこのOPS-24の1世代前の対空レーダーとしてちくご型護衛艦よりOPS-14を搭載していましたが、OPS-14は艦隊行動時の性能は問題がなかった物の、単独行動時は不安が残る対空捜索性能でした。
そのOPS-14の後継として開発されたのが今回のOPS-24で、開発年度は1985年、就役年度は1989年です。あさぎり型護衛艦の後期建造艦4隻から搭載されました。開発・製造は三菱電機。
このOPS-24は航空自衛隊のレーダーサイトで使用されているJ/FPS-3を艦載化する事によって開発されましたが、J/FPS-3とOPS-24の運用目的の違いから初期のOPS-24は問題が多発していました。
J/FPS-3はレーダーサイトに設置され目標を遠距離で探知し戦闘機を誘導することを目的とした早期警戒レーダーとしての性格が強いレーダーでした。
一方このOPS-24はより強力な対空捜索能力を備えたヘリコプター搭載護衛艦やミサイル護衛艦のレーダー覆域下で運用される事が前提で、対空ミサイル射撃のための目標補足レーダーとしての性格が強いため問題が生じたとされています。
そのためむらさめ型護衛艦から搭載されたOPS-24Bでは抜本的な改良が施されており、その改良によってようやく艦隊運用に絶える性能に達し、初期のOPS-24にも改良の成果がバックフィットされています。
正面から撮影したOPS-24B。
側面から撮影したOPS-24B。アンテナ面は垂直から25度傾斜しており、毎分10~20回転します。高度方向の走査は電子制御によるもので、水平方向の走査は機械回転式となっています。
使用周波数はLバンドで最大探知距離は200km以上、同時追尾数は50~60目標以上とされています。
・・・以上、これは初撮影。ef_end_63がお送りしました。