護衛艦あけぼの艦上にて
2015年7月19日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊の護衛艦あけぼの。むらさめ型護衛艦の8番艦で、艦番号はDD-108です。その護衛艦あけぼのの各種装備を掲載しています。
今回はMk41 垂直発射装置。前回はハープーンの発射筒だったので武装が続くことになりますね。因みに次回は62口径76mm単装速射砲なので更に武装が続きます。
Mk41はアメリカのロッキード・マーチン社が開発した垂直式のミサイル発射機で、世界中の海軍で幅広く採用されており、垂直発射装置としては最大規模のシェアを誇ります。
垂直発射装置はVertical Launching Systemの頭文字を取ってVLSとも呼ばれますね。この記事でも以降はMk41 VLSと表記することとします。
このMk41は多くのVLSと同様に発射機と弾薬庫を兼ねたシステムであり、形としては弾薬庫から直接発射を行うものとなります。発射機・弾薬庫はミサイルセルと呼ばれますね。
Mk41は8セルで1モジュールを構成しており、艦対空・艦対艦・艦対地ミサイルに含まれる様々なミサイルを収容・発射する事が可能です。複数の種類のミサイルを同時に並行して収容することも可能。
従来の発射機ではミサイルを装填してから目標方向に指向、発射するという流れでしたが、VLSは弾薬庫からの直接発射となるのでリアクションタイムが大幅に削減されています。
また弾薬庫にミサイルがあっても発射機が故障してしまうとミサイル発射が不可能になっていたのに対し、VLSは弾薬庫の数だけ発射機があるのと同じなので故障が発生しても他への影響は最小限で抑えられます。
甲板上に発射機が露出せず、埋め込み型で設置されることからレーダー反射面積を減少させる効果もあり、ステルス性を重視する最近の戦闘艦ではVLSの採用が当然となってきています。
Mk41は部品数の少なさから高い信頼性を有しており、能力も優れていますが、高さと重量のために小規模艦艇には搭載が難しい、垂直に発射されるミサイルに推力偏向装置が必要となるなどの制約もあります。
アメリカ海軍では1986年9月20日就役のタイコンデロガ級巡洋艦6番艦「バンカーヒル」よりMk41の運用を開始しました。海上自衛隊では1993年3月25日就役のこんごう型護衛艦1番艦「こんごう」が最初に搭載しました。
汎用護衛艦として最初にVLSを搭載したのはむらさめ型で、むらさめ型では写真のMk41の他にMk48 VLSも採用されています。前者はアスロック用、後者はシースパロー用として使い分けられていますね。
むらさめ型のMk41は前甲板に2ユニット16セルが搭載されています。アスロックは対潜用短魚雷を遠距離に投射するシステムで、従来はMk112発射機から発射されていました。
こんごう型からMk41に合わせて開発されたRUM-139 垂直発射型アスロックを採用しています。その後、国産の07式垂直発射魚雷投射ロケットが開発され、あきづき型護衛艦から搭載されました。
セルの蓋。上面には滑り止め塗装が施されていますね。発射の直前に開き、発射後は内部の有毒ガスを排出するために10秒ほど開放されてから閉まるようです。
・・・以上、お尻が痛いef_end_63がお送りしました。