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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 訓練支援艦くろべ 62口径76mm単装速射砲

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訓練支援艦くろべ艦上にて

2015年10月17日に横浜港で艦艇広報を行った海上自衛隊のATS-4202 訓練支援艦くろべ。前回まで潜水艦救難艦ちはやの装備を掲載していましたが、今回からはくろべの装備を掲載していきます。

この日は観艦式に関連した艦艇広報が各地で行われており、横浜港では護衛艦いずも・潜水艦救難艦ちはや・訓練支援艦くろべの3隻が一般公開を行っていました。ちはや・くろべは横浜新港でメザシで係留されており、くろべにはちはやから乗り移って見学する事となっていました。

ちはやからくろべに乗艦して最初に撮影したのが写真の62口径76mm単装速射砲。多くの護衛艦とミサイル艇、一部の掃海母艦と補助艦艇に搭載されていますね。

自分がこれまで見学してきた艦にも殆どの場合搭載されていたので、このブログでも何度も掲載しています。前回は2015年7月19日に見学した護衛艦あけぼのの76mm砲でした。

この砲はイタリアのオートメラーラ社が開発したコンパクト砲という艦載砲であり、小型軽量かつ高性能という特徴から西側諸国の海軍で広く採用され、76mm(3インチ)砲のベストセラーとなりました。

オートメラーラ社は1962年からMMIという76mm砲を生産しており、コンパクト砲はMMIで得たノウハウを活かして開発された同社第2世代の76mm砲です。開発は1964年に始まりました。

1967年には開発が完了し、1969年から生産されています。開発国のイタリア海軍の他に、アメリカ・ドイツ・オランダ・シンガポール・サウジアラビア・フランスなどで採用されていますね。

この砲はMMIよりも重量を37.5%削減した一方で発射速度は23.5%向上させており、毎分85発となっています。即応弾は80発で、砲塔直下の回転式弾倉から給弾装置を介して自動装填されます。

砲塔は全周旋回可能で、旋回速度は毎秒60度。俯仰角は-15度から+85度までとることが出来、俯仰速度は毎秒35度。体験航海などで動作展示を見ることが出来ますが、非常に機敏な動きを見せてくれます。

様々な射撃指揮装置と連接させることが可能で、海上自衛隊では81式射撃指揮装置2型(FCS-2)と連接されています。これにより対艦ミサイルなどの高速目標も迎撃することが可能。

海上自衛隊ではみねぐも型護衛艦3番艦むらくもに試験的に搭載し、同艦で試験が行われていた81式射撃指揮装置2型と共に海上試験が行われました。搭載に際してはむらくもの後部68式3インチ50口径連装速射砲を撤去しています。

実戦配備は護衛艦いしかりによって行われ、以降に就役したゆうばり型・はつゆき型・あさぎり型・あぶくま型・むらさめ型護衛艦とはやぶさ型ミサイル艇に搭載されています。

またうらが型掃海母艦2番艦ぶんご、練習艦かしま、訓練支援艦くろべ・てんりゅうにも搭載されていますね。海上自衛隊の62口径76mm単装速射砲はコンパクト砲をライセンス生産したものです。

訓練支援艦くろべは護衛艦以外でこの砲を搭載した最初の艦で、護衛艦の対空射撃訓練を支援するための無人標的機が制御不能で危険な状態に陥った場合に使用するようですね。

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砲身。砲身長62口径のライフル砲で、砲単体の重量は765kg。砲弾には様々な物がありますが、通常弾の場合は最大射程18.4km、有効射程16kmです。

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後方から撮影。この砲にはFRP製のシールドが被せられており、後部に点検用のハッチがあります。砲塔自体は無人状態で運用されますが、非常時には砲側での射撃指揮も可能となっています。

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模擬76mm砲弾。空調機器で有名なダイキン工業が製造しています。

イメージ 6

最後に説明書き。


・・・以上、くろべの見学は2度目。ef_end_63がお送りしました。

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