護衛艦あきづき艦上にて
昨年7月16日・17日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊のあきづき型護衛艦1番艦「あきづき」。その護衛艦あきづきの各種装備品を撮影順に掲載しています。
今回掲載するのは68式3連装短魚雷発射管 HOS-303。数多くの護衛艦に搭載されている基本的な装備であるため、過去に何度も記事を書いていますね。あきづき型の短魚雷発射管は4番艦「ふゆづき」のものを掲載したことがあります。
この68式3連装短魚雷発射管はアメリカ海軍が開発したMk32 短魚雷発射管を渡辺鉄工がライセンス生産したもので、Mk32は西側諸国の海軍で広く採用されている短魚雷発射管ですね。
Mk32 短魚雷発射管はアメリカ海軍のMk44短魚雷と共に配備が始まった水上艦用魚雷発射管です。配備開始は1959年。写真の様な発射管を3本まとめた形が有名ですね。
現在はアスロックなどの遠距離の潜水艦を攻撃可能な対潜ミサイルが開発されていますが、信頼性の高い近距離への対潜火力として短魚雷発射管も搭載されています。
Mk32は軽量化のためFRP製となっており発射管の直径は324mm。発射方式は圧縮空気による射出式です。射出後、魚雷は自ら搭載しているソナーで目標を捜索、攻撃を行います。
魚雷は同時に配備されたMk44短魚雷以外にも、様々な324mm径の短魚雷を運用可能です。アメリカ海軍ではMk46やMk50、Mk54短魚雷など、海上自衛隊ではMk46や97式、12式などの短魚雷が使用されていますね。
この短魚雷発射管は両舷側に沿って搭載されており、非使用時は艦首方向を向いています。使用時はハンドルによる手動または遠隔操作により艦外に向けられ、魚雷を発射します。
海上自衛隊では輸入によって導入を始め、同じ日に就役したみずとり型駆潜艇6番艇「うみどり」とうみたか型駆潜艇3番艇「わかたか」より搭載されました。なおそれまではMk2 短魚雷落射機が装備されていました。
海上自衛隊は独自に魚雷発射管に形式を与えており、長魚雷用はHOまたはHU、短魚雷用はHOSから始まります。この68式3連装短魚雷発射管にもHOS-301という形式が与えられ、改良によってHOS-302、HOS-303と発展しています。
あきづき型が搭載しているのは最新のHOS-303。HOS-303では12式短魚雷など新型の短魚雷を使用することが可能となっています。また艦内CICからの遠隔操作も可能ですね。
上の写真は右舷側の1・3・5番発射管で、まとめて右連管とも呼ばれますね。
2・4・6番発射管。こちらも左連管と呼ばれます。あきづき型ではステルス性向上のため短魚雷発射管は上部構造物に覆われており、使用時はハッチが開いてから発射管が艦外を指向します。
後部から撮影した左連管。発射管の後端に取り付けられている半球部分に圧縮空気が詰められています。また4番発射管と6番発射管の間には手動旋回用のハンドルが見えますね。
銘板。
説明書き。
・・・以上、縦に2連装のタイプもある。ぽっぽやがお送りしました。