舞鶴港にて
舞鶴西港で撮影した独立行政法人航海訓練所の練習船「海王丸?鵺世」。昨年7月26日に行われた海上自衛隊舞鶴地方隊展示訓練の後に撮影した写真です。
海王丸?鵺世は1930年に就役した初代海王丸の後継として建造された練習帆船で、港駅財団法人海技教育財団が保有し航海訓練所に傭船契約される形で運航されています。
従来の練習帆船は国が建造し船員教育訓練にのみ使用されてきましたが、海王丸?鵺世は「青少年のための海洋教室や体験航海」にも利用するとして国の補助金、財団法人日本船舶振興会の補助金、一般からの寄付金などで建造されました。
建造に際しては初代海王丸よりも大型化され、1984年に就役した「日本丸?鵺世」で得られた建造技術・運航経験が反映されています。
帆走時に抵抗となるプロペラのピッチ角を水流に平行にする事により抵抗を減少させるフェザリング機能を有する可変ピッチプロペラを採用しており、日本丸?鵺世よりも帆走性能が向上しています。
1990年、1991年、1994年、1995年にはその年で最速の帆船に贈られる「ボストン・ティーポットトロフィー」を4度受賞しています。
建造は住友重機械工業追浜造船所浦賀工場で行われ、1988年7月8日に起工、1989年3月7日に進水、1989年9月12日に就役しています。
海王丸?鵺世は4檣バーク型船型で総トン数2556トン、全長110.09m、全幅13.8m、総帆数36枚、総帆面積2760㎡、最大搭載人員199名、航続距離9800海里というスペックで、機走用に1500psのディーゼル機関2基を搭載しています。航海速力は約13ノット。
全長全幅などのスペックは日本丸?鵺世とほぼ同じで、海王丸?鵺世では高張力鋼を採用した事により総トン数が16トン減少しています。
この時は海フェスタ京都に合わせて舞鶴港に7月25日から29日まで停泊していたようで、26日にセイルドリル、27日に一般公開を行っていた様ですね。タイミングが良ければ帆を張った姿が見られたかも知れません。
船首。船首像は横笛を吹く女性の姿をしており、「紺青」と名付けられています。英語表記は「KAIWO MARU」なんですね。
ブリッジやマストの上にはレーダーアンテナが置かれており、現代の船であることを感じさせます。
船体後部。丸い窓がいくつも並んでいます。それにしても、かなり複雑にロープが張り巡らされていますね。これを模型で再現しようとしたら気の遠くなる作業になりそう。
因みに、この記事を書いている時点で海王丸?鵺世は奄美大島の付近に居るようです。
・・・以上、次は帆を張った状態が見たい。ぽっぽやがお送りしました。