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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 YS-11M-A 9043号機@南紀白浜空港 ①

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南紀白浜空港にて

南紀白浜空港で撮影した海上自衛隊のYS-11M-A 9043号機。昨年9月13日に行われた南紀白浜空港空の日フェスタ2014での撮影です。

YS-11といえば言わずと知れた国産双発ターボプロップ旅客機で、航空機ファンでない方でも知っている方は多いと思います。

民間では全て退役しているYS-11ですが、海上自衛隊では少し前までは運用されていました。航空自衛隊では現在でも現役で運用されています。

YS-11の製造は官民共同の特殊法人である日本航空機製造が行っており、1962年8月30日に初飛行、1964年8月に運輸省の型式証明を取得。

1965年3月30日に運輸省での運用が開始され、最終的に182機が製造されました。その後定期運航に使用する航空機への空中衝突防止装置の装備が義務づけられ、改修経費の関係で2006年9月30日のラストフライトをもって日本の民間航空から退役しています。

戦前に軍用機設計に携わっていた設計者達が設計を行ったため、YS-11には軍用機の影響が強く出ており、信頼性と耐久性に優れる一方で居住性が悪いという軍用輸送機のような旅客機となってしまいました。

運用を開始した航空会社からは厳しい評価を受けましたが、改修を重ねて機体を実用レベルまで高めています。

YS-11は安全を重視して厳重な強度試験が行われており、頑丈な機体となっています。その一方で重量の増加という欠点も発生してしまい、パワー不足が多くのパイロットから指摘されています。

YS-11には多くの派生型があり、電子装備・エンジンの改良や旅客・貨物混載型、貨物専用型などがあります。製造された182機の内訳は国内民間機75機、官公庁34機、輸出13ヵ国76機となっています。

海上自衛隊では1967年から1973年にかけて人員・貨物混載の輸送機としてYS-11M/M-Aを4機導入しています。1・2号機はYS-11-100をベースとしたYS-11M、3・4号機は-300/-400をベースとしたYS-11M-Aですね。

その他海上自衛隊では1970年から1973年までに機上作業練習機としてYS-11T-Aを6機導入しており、対潜哨戒機の人員養成を行ってきました。こちらは2011年に全機用途廃止となっています。

YS-11M/M-Aは海上自衛隊唯一の輸送機で、全国の海上自衛隊航空基地間を定期・不定期で飛行しており、硫黄島や南鳥島へも飛行しています。

貨物搭載のため床面を強化し室内運搬装置が設置されており、後部胴体には大型のカーゴドアが増設されました。

写真の9043号機はYS-11M-Aで、エンジンの改良によってペイロードが1トン増加しています。ベースは貨物専用機であるYS-11A-400。44席の客席を設置可能。

YS-11Mは全機が厚木航空基地の第61航空隊で運用されてきましたが、東日本大震災の救援物資輸送で通常の飛行時間を大幅に超えて飛行したため退役時期が前倒しされ、米海軍から中古のC-130Rを導入して後継機とし、2014年12月26日に全機が退役しました。

一般向けの展示を行ったのはこの南紀白浜空港空の日フェスタが最後だったようですね。体験搭乗も行われましたが、残念ながら自分は搭乗する事ができませんでした。

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右側面から撮影した9043号機。

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正面から撮影した機首。

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左側面から撮影した機首付近。

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右側面から。

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後方から撮影。

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エンジン。エンジンはロールスロイス製ダートMk542-10Kが2基搭載されており、出力は1基あたり3025shpとなっています。

このダートエンジンは高回転型遠心式圧縮機の高音とジェットブラストの低音、プロペラの風切り音が混ざった独特の音を発し、そちらも「ダートサウンド」として有名ですね。

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プロペラ。プロペラはイギリスのダウティ・ロートル社製4翅プロペラを使用しています。

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後方から撮影した機体左側のエンジン。カウルが美しいですね。

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左側主翼。主翼前縁の黒い部分はゴム製のラバーブーツを使用した除氷装置で、揚力に悪影響を及ぼす氷を取り除くため主翼・尾翼の前縁に設けられています。

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左側のフラップ。

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左側エルロンの端部に取り付けられた放電索。

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垂直尾翼と水平尾翼。

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右側から撮影した垂直尾翼。

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前部ドアとエアステア。YS-11には地方空港での運用を考慮して内蔵式のエアステアが装備されています。このエアステアは自動で展開・格納されます。

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エアステアの格納シーン。独特の動きが面白いですね。

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機体後部左側面の大型カーゴドア。内側に人員用のドアがありますね。

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機体右側面のドア。カーゴドアの反対側にあります。

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機体下面の脱出用ドア。

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前脚。

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主脚。主脚はエンジンカウルの下部に格納されます。

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コクピット窓。

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胴体後部下面のエアインテーク。

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ピトー管。

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機体下面のブレードアンテナ。

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こちらも機体下面。ADF(自動方向探知機)のワイヤーアンテナ。

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機体正面のHF用ワイヤーアンテナ。

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垂直尾翼の部隊マーク。第61飛行隊はキャラバンというコールサインを使用しており、それにちなんだ部隊マークが垂直尾翼に描かれています。

海上自衛隊の航空機でこうして大きく部隊マークが描かれていたのもYS-11M/M-Aが最後でした。

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機首の「43」のナンバー。

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前部ドア付近の非常口表記と部隊マーク。

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日の丸と海上自衛隊の表記。

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最後に説明書き。


・・・以上、これは大きなネタだったなぁ。鉄道員日記がお送りしました。

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