桂駐屯地にて
昨年11月5日に開催された陸上自衛隊桂駐屯地創立63周年記念行事で撮影した陸上自衛隊の各種装備品を掲載しています。割と掲載が進んでおり、外来部隊の装備品が増えてきましたね。
今回掲載するのは155mm榴弾砲FH-70。本州以南の野戦特科部隊に配備されている榴弾砲で、陸上自衛隊の装備品としてはかなりメジャーな方ではないでしょうか。
FH-70はNATOの要求によって西ドイツ・イギリス・イタリアが共同で開発した榴弾砲で、製造開始は1978年。西ドイツでは192門、イギリスでは67門、イタリアでは162門が運用されました。
牽引式の榴弾砲ですが補助動力装置により低速での自走も可能であり、発射位置の微調整などが従来よりも容易に行えるようになっています。補助動力装置には水平対向ガソリンエンジンが使用されていますね。
陸上自衛隊では米軍供与品の155mm榴弾砲M1と105mm榴弾砲M2A1を使用していましたが、それらの榴弾砲は第2次大戦当時に開発された物であり、更新の必要性がありました。
そこで導入されたのがこのFH-70で、1983年から配備されています。調達に際しては日本製鋼所でライセンス生産が行われていますね。最終的に世界最多となる422門が配備されました。
北海道の野戦特科部隊には自走式の榴弾砲が採用されていますが、本州以南の野戦特科部隊にはこのFH-70が主力として配備されています。そのため色々な駐屯地のイベントで見かける機会が多いですね。
FH-70も旧式化して更新時期にかかっており、順次退役しているようです。後継としては自走式の装輪155mmりゅう弾砲が開発中ですね。ただし火砲は削減されており、FH-70と同程度の規模の配備にはならない見込み。
写真の155mm榴弾砲FH-70は兵庫県姫路駐屯地の第3特科隊第2中隊に配備されているもの。
砲身。砲身長は6022mm。口径長は39口径となります。
方向とマズルブレーキ。よく見ると方向からライフリングが見えますね。
砲架の周辺。子供が座っているのが射撃手の席で、砲身の角度を調節するハンドルや照準眼鏡、射撃レバーがあります。
砲尾と装填トレー。砲尾の鎖栓は垂直鎖栓方式であり、鎖栓は初弾装填時のみ手動で開放され、2発目からは発射時の反動を利用して自動的に開放されます。
手前にあるのが半自動装填装置の装填トレーで、発射前に次弾をここに載せておく事により、発射時の反動を利用して砲弾が砲尾の手前に持ち上げられた状態となります。
そこおからは装填棒で砲弾を押し込むだけなので装填時間がかなり短縮されており、最大で毎分6発、持続射撃では毎分2発を発射する事が可能となっています。
駐鋤。これを地面に食い込ませて発射時の反動を受け止めます。
ガンロック。移動する際に使用されます。
正面から撮影。右下の緑色の座席が自走時の操縦席で、最大16km/hで走行できるようです。
最後に説明書き。
・・・以上、明日だと思ってたスケジュールが明後日だったef_end_63がお送りしました。