和歌山港にて
和歌山港で7月15日に撮影した陸上自衛隊の1/2tトラック。かつては73式小型トラックと呼ばれていた車両ですね。珍しく偽装網をかけた状態で展示されていました。
この日は和歌山港で海上自衛隊の護衛艦「いずも」の艦艇広報が行われており、そのとなりでこの1両だけ車両が展示されていました。過去の艦艇広報では82式指揮通信車や1トン半救急車など複数の車両が展示されたこともありましたね。
今回の1/2tトラックは和歌山地方協力本部に配備されているもので、艦艇広報を企画した地本が他の部隊を呼ばず自前で出来る車両展示を行ったんでしょうね。
1/2tトラックは陸海空の三自衛隊に幅広く採用されている汎用小型軍用車両。陸上自衛隊ではほぼ全ての部隊で配備されており、全国各地でよく見かける車両です。
自衛隊では発足からソフトスキンの小型車両としてジープを使用してきましたが、1973年にジープをベースとした車両が制式化され73式小型トラックという名称が与えられました。
1996年からはパジェロをベースとした車両に変更され、そちらは73式小型トラックの新型と称されていました。2003年から制式化が解除され、1/2tトラックという名称に変更されています。
この1/2tトラックはパジェロのショートホイールベースモデルのフレーム後端を伸ばし、リアサスペンションがリーフリジッドとなったモデルであり、最大積載量は440kgです。
エンジンには2.8Lの直列4気筒ターボディーゼルエンジンが搭載され、最高出力は125PS、最高速度は135km/hとなっています。変速機構は4速トルコン式AT。
武装はありませんが、ロールバーに5.56mm機関銃MINIMIや12.7mm重機関銃M2などを据え付けることが可能で、サイドドアの内側には小銃用のラックが取り付けられています。
また対戦車ミサイルなどを後部に積載する事も可能で、その他にもレーダー装置や通信装置などを搭載しベース車両となっている車両も存在しますね。
1/2tトラックは大きく分けて3つのタイプに分類することができます。1996年から2000年まで調達されていた初期型はフォグランプがバンパーの上にあり、幌の形状が現行と異なります。
2001年から2013年頃まで調達されていた中期型はフォグランプがバンパーに埋め込まれ、数も2灯に増えました。2014年頃から調達されている後期型はインタークーラーの位置が変わり、ボンネット上のエアインテークが無くなっています。
写真の1/2tトラックは偽装網で解りづらいですがエアインテークのない後期型で、銘板によると2014年2月に製造された車両のようです。
後部から撮影した1/2tトラック。左右のドアの他後部にもドアが設けられています。この時は全て開放した状態で展示されていました。
運転席。軍用車両なのでシンプルな造りですが、エアコンとラジオが装備されています。
後部スペース。後部には左右方向に向いた座席があり、最大6名が乗車する事が可能。後部の座席は折りたたみ可能な構造となっていることが解ります。
後部の座席。弾薬や無線機を搭載する場合など取り外すことも可能。
右側ドアの内側。ソフトスキン車両なので装甲などは特にありません。小銃のラックが取り付けられているのが見えますね。
小銃ラックの拡大。89式小銃・64式小銃を固定することが出来ます。
後部ドアの内側。
三角コーンの回収に従事する1/2tトラック。こちらも和歌山地方協力本部の所属で、後期型ですね。地本は三自衛隊の共同の機関ですが、車両には陸自の桜マークが描かれています。
・・・以上、1/144のこれ、欲しいなぁ。鉄道員日記がお送りしました。