護衛艦いずも艦上にて
7月15日に和歌山港で艦艇広報を行った海上自衛隊のいずも型護衛艦1番艦「いずも」。その際に撮影した護衛艦いずもの各種装備品を撮影順に掲載しています。前回は高性能20mm機関砲を掲載しましたね。
今回掲載するのはNORA-1/NORQ-1/NORA-7の三種類のアンテナ。いずれも衛星通信用に搭載されているアンテナで、スーパーバード衛星と通信するものなのでまとめて掲載します。
これらのアンテナは防衛省の衛星通信システムに接続する為のもので、いずも型にはこれらに加えてアメリカ海軍の衛星通信システムに接続する為のAN/USC-42アンテナも搭載していますね。
スーパーバード衛星はスカパーJSAT社が保有する通信衛星で、防衛省ではSUPERBIRD B2とSUPERBIRD Dに搭載された中継器を借り上げて衛星通信を使用しています。また昨年から防衛省が独自に運用するXバンド防衛通信衛星も打ち上げられており、順次そちらの運用も開始される物と思われます。
上の写真はNORA-1で、使用周波数帯はXバンド。SUPERBIRD B2に搭載されたXバンド中継器を介した通信を行うアンテナで、艦橋の上部と第1・第2煙突の間に1基ずつ設置されています。
このNORA-1は1991年就役のあさぎり型護衛艦5番艦「はまぎり」から搭載され、これによって海上自衛隊艦艇に衛星通信システムが配備されました。護衛艦はまぎりよりも先に就役した艦艇にも順次搭載されていますね。
艦橋上部に搭載されたNORA-1。
こちらはNORQ-1。Kuバンドを使用する衛星通信アンテナで、こちらもSUPERBIRD B2のKuバンド中継器を介した通信に使用されますね。Kuバンドを使用した通信はXバンドよりも大容量化が可能という特徴があります。
海上自衛隊では当初NORA-1のみを使用していましたが、大容量通信のニーズが高まったことによりKuバンド通信とNORQ-1が導入されました。またKuバンド中継器を搭載した衛星の数は多く、Xバンド通信よりもカバーエリアが広くなっています。
一方でkuバンド通信はXバンド通信よりも天候の影響を受けやすく、妨害や傍受にも比較的弱いという欠点がありますね。いずも型護衛艦では右舷側フラットと第2煙突側面に搭載されています。
NORA-7。信頼性が高く、大容量でのXバンド通信を実現するために導入されました。Kuバンドは上記の欠点から骨幹的通信回線には向かないためこのアンテナが導入されています。
NORA-7はNORA-1よりも大型化しており、NORA-1・NORQ-1とは異なりSUPERBIRD Dを介した通信を行います。2009年就役のひゅうが型護衛艦から搭載されており、現在の所ひゅうが型といずも型に搭載されていますね。
いずも型護衛艦では艦橋構造物の前後に搭載されています。
・・・以上、雑誌をごっそり梱包したef_end_63がお送りしました。