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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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陸上自衛隊 多連装ロケットシステム自走発射機@湯布院駐屯地

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湯布院駐屯地にて

9月に訪れた湯布院。観光目的の旅行でしたが、湯布院駐屯地にも少し立ち寄って外周から陸上自衛隊の各種装備品を撮影していました。湯布院駐屯地ならではの装備品も見られましたね。

以前多連装ロケットシステムの弾薬車を掲載しましたが、今回掲載するのは多連装ロケットシステムの自走発射機。この装備品もここならではの物と言うことが出来ますね。

多連装ロケットシステムは米陸軍が1982年から運用している自走式の長距離ロケットシステムで、冷戦期に東側諸国の陸上部隊に対する阻止砲撃用として開発されました。

従来の榴弾砲よりも更に長射程かつ広範囲の制圧が可能なシステムであり、米陸軍ではM110 203mm自走榴弾砲を置き換えていますね。米陸軍での制式名称はM270。

多連装ロケットシステムはMultiple Launch Rocket Systemの頭文字を取ってMLRSと呼ばれることも多く、湾岸戦争やイラク戦争の報道でMLRSという呼び方の方が有名かも知れませんね。

陸上自衛隊では1992年から調達を開始し、2004年までに99両が調達されました。発射機は日産宇宙航空事業部と後身のIHIエアロスペースでライセンス生産されています。

多連装ロケットシステムはこの発射機と指揮装置、弾薬車で構成されています。指揮装置と弾薬車は3 1/2tトラックと7tトラックをベースとしていますが、発射装置は米軍とほぼ同じ物を使用していますね。

この発射装置はM2ブラッドレー装甲車の車体をベースに開発されたアルミ合金製車体で、NBC防護のため機密構造となっているキャビンには3名が搭乗する事が出来ます。車体後部には発射装置が搭載されており、6連装のコンテナを左右に2基ずつ装填することが可能。

一回の斉射で12発を発射することが可能で、ロケット弾の発射間隔は4.5秒。再装填のため発射装置にクレーンが内蔵されており、コンテナ2基の再装填にかかる時間は約8分。

陸上自衛隊では当初M26クラスター弾頭を使用していましたが、現在は日本政府がクラスター弾に関する条約に批准したためM31GPS誘導ロケット弾に切り替えられています。

また運用目的も敵が上陸作戦を実施している海岸線に後方から制圧すると言うものであり、最近では島嶼防衛のために輸送艦から敵上陸部隊への射撃および沖合の敵艦艇の排除という目的も加えられました。

写真の自走発射機は全長7.06m、全幅2.97m、全高2.6mというサイズで、重量は24.756t。この重量のため輸送の際には大型輸送機が必要とされ、緊急展開部隊には向かないためにより小型のM142 HIMARSが開発されています。


・・・以上、後ろに停まっているのは弾薬車。鉄道員日記がお送りしました。

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