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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 護衛艦しらね 72式射撃指揮装置1型A

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護衛艦しらね艦上にて

海上自衛隊ネタはTC-90や「いずも」などがあるのですが、色々な事情により舞地方隊展示訓練の際に撮影した護衛艦「しらね」の装備品を掲載します。

前回は73式54口径5インチ単装速射砲を掲載しましたね。今回掲載するのはその射撃指揮に用いられる72式射撃指揮装置1型です。

海上自衛隊の砲射撃指揮装置は当初、第2次大戦中に開発されたMk57,63が主に使用されていましたが、1950年台には世界水準よりも劣った性能となったため、1958年にスイスのコントラヴェス社製ヤベルクが1セット輸入されて護衛艦「はるかぜ」に搭載されました。

このヤベルクで得た経験を元に、同じ1958年より国産砲射撃指揮装置の研究が始まり、1960年から1964年までの4カ年計画で試作が行われました。この時開発された砲射撃指揮装置は後に68式射撃指揮装置として制式化されます。。

その後現場からの要望を盛り込み、方位盤に操作員2名を配置しレーダー・光学兼用式とするなどの改良を加えたタイプが開発され、1969年から試験が開始、1972年に開発が終了して72式射撃指揮装置1型として制式化されています。

この72式射撃指揮装置1型は艦の捜索レーダーなどが発見した目標に指向し、目標の方位・距離を測定し、目標の速度や未来位置などを計算して空気の密度や温度、艦の動揺などを修正した発射諸元を算出します。

レーダーと光学の両方で照準を行うことができ、一つの方位盤に2名の操作員が乗る有人方位盤となっています。

レーダーの周波数はXバンドで、アンテナはご覧の通りパラボラ型ですね。アンテナ直径は1.2mあり、全周旋回が可能。俯仰角は-5度~+85度まで取ることが可能です。

この72式射撃指揮装置1型には54口径5インチ単装速射砲用の72式射撃指揮装置1型Aと、50口径76ミリ連装速射砲用の72式射撃指揮装置1型Bの2タイプが存在します。写真は1型A。これらはFCS-1A/Bとも呼ばれますね。

しらね型護衛艦では艦首に搭載された2門の5インチ砲用に2基が装備されており、砲と同じように背負式で配置されています。装備位置は露天艦橋の後方、マストの手前。

このFCS-1の後継として81式射撃指揮装置2型が開発されており、搭載艦の退役も進んでいます。現在FCS-1を運用している護衛艦はしらね型2番艦の「くらま」のみとなりました。

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2基が背負式に配置されたFCS-1A。古い電子装備らしくて良いですね。

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前方のFCS-1A。1基あたりの重量は12t。

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後方のFCS-1A。少し高い位置に搭載されています。レーダーアンテナの隣にワイパーが着いた窓がありますが、これは光学照準装置で、内側に照準望遠鏡・操作盤・発射キー・光学射手席があります。

前方のFCS-1Aの光学照準装置にはカバーが掛けられていますが、こちらにはありませんね。


・・・以上、歌詞は変態でも良い曲なんだよなぁ。ぽっぽやがお送りしました。

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