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Channel: 鉄道員日記(ぽっぽやにっき)
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海上自衛隊 TC-90@南紀白浜空港

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南紀白浜空港にて

南紀白浜空港で9月12日に開催された空の日フェスタ2015。毎年自衛隊機が参加しているイベントですが、今年は陸上自衛隊のUH-1Jと海上自衛隊のTC-90がやって来ていました。

TC-90は海上自衛隊が計器飛行訓練用として運用している練習機で、アメリカのビーチクラフトが開発・製造を行っている双発ターボプロップビジネス機であるキングエアを改造して運用しています。

キングエアは大きく分けてモデル90シリーズ、モデル200シリーズ、モデル300/350シリーズの3種類があり、海上自衛隊が導入しているのはモデル90シリーズ。

モデル90は1964年の登場以来、改良を重ねつつ現在まで製造が続けられている双発ターボプロップビジネス機のベストセラーで、2400機以上が製造されています。

モデル90の中でも様々な派生型が登場しており、TC-90のベースはモデルC90から始まりC90-1、C90A、C90GT、C90GTiと新しい派生型が登場する度に変化してきました。

TC-90の配備が始まったのは1974年で、それまで計器飛行訓練用として運用されていたB-65(ビーチクラフト クイーンエアがベース)を順次置き換えていきました。

初号機である6801号機から6811号機まではC90を、6812号機から6818号機まではC90-1を、6819号機と6834号機がC90Aを、6835・6836号機がC90GTを、6837号機以降がC90GTiをベースとしています。

TC-90も初期に導入された機体から退役が始まっていますが、キングエアの製造が現在も続いており、新規に調達されるのもTC-90なので、TC-90でTC-90を置き換える状況となっています。

現在41機が調達されており、その内20~30機程度が運用されている物と思われます。配備は徳島教育航空群隷下の第202教育航空隊で、同隊は徳島航空基地に所在しています。

海上自衛隊パイロットの実機訓練は操縦士基礎(共通)課程から始まり、修了後に固定翼と回転翼の課程に分かれます。その後の操縦士基礎課程を終えると計器飛行課程となります。

その計器飛行課程を受け持つのが第202教育航空隊であり、固定翼要員も回転翼要員も課程は異なりますが同じTC-90での訓練を受けます。固定翼要員はTC-90で事業用操縦士の資格を取得します。

その後は固定翼要員は実用機課程へと移り、回転翼要員は回転翼基礎課程へと移ります。また計器飛行課程よりも回転翼基礎課程を先に修了し、TH-135によって行われる回転翼計器飛行課程へ進むコースもあるようですね。

今回南紀白浜空港には6824・6826・6831の3機のTC-90が飛来しており、その内の2機は体験搭乗を行っていました。空の日フェスタ開始後、6831号機はエプロンで展示されています。

個人的にはTC-90を撮影するのは2度目ですね。前回は徳島航空基地祭での撮影で、その時も6831号機を撮影していました。

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真横から撮影。

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後方から撮影。

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エンジン。エンジンは550軸馬力のPT6A-21を2基搭載しています。このエンジンはPT6の改良型で、エアインテークや排気管の形状変更で空気抵抗を減らし排気効率を向上させています。

なおモデル90GT以降はエンジンを出力向上型のPT6A-135Aとし、プロペラの枚数が4枚となっています。

エンジンカウルの胴体側上面はまぶしくないようにつや消しの黒で塗装されていますね。

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主脚。タイヤが内側に付いているのが面白いですね。

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前脚。3つのライトが取り付けられています。上の2つが着陸灯で、下の1つがタクシー灯ではないかと思います。

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コクピット窓周辺。

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主翼。練習機であるため翼端は蛍光オレンジで塗装されていますね。

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翼端灯。この翼端灯は右翼端に緑色・青色、左翼端に赤色を使用する事が規定されています。

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垂直水平尾翼。垂直尾翼に取り付けられている白いブレードアンテナはVORのアンテナではないでしょうか。

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乗降扉。内側は階段となっており、扉とタラップの役割を担っています。

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海上自衛隊と機種と製造番号の表記。銘板があるのも見えますね。ビーチクラフトはレイセオンの子会社だった時期があるので、その間に製造されたTC-90にはレイセオンの銘板が取り付けられています。

写真の6831号機もレイセオンの銘板が取り付けられていました。

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垂直尾翼から胴体正面へと伸びるワイヤーアンテナ。

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説明書き。

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一番最初に飛来したのが6824号機。第202教育航空隊は「KING」のコールサインを使用しています。

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誘導路を通ってエプロンに進入し駐機した6824号機。6824号機は後に来る2機の為に地上要員と機材を輸送していたようです。

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定期便のERJ170と並ぶ6824号機。

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到着から10分でまた出発していきました。エプロン上で転回する6824号機。

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徳島へ向けて飛び去っていきました。

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その後降りてきた6826号機。

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6824号機と同じスポットへと向かいます。

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続いて降りてきた6831号機。

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誘導路をタキシング中。良い天気で光の当たりも良かったですね。

エプロンで縦に並んだ6826号機と6831号機。この2機が体験搭乗を行っていました。

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今回飛来した3機は何れもC90Aがベースであり、C90Aは1984年に登場し456機が製造されたモデルです。機内の与圧能力向上や主脚引き込み機構の油圧式への変更など改良が行われました。

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一度に3名の体験搭乗者を乗せ、離着陸を繰り返す2機のTC-90。フライトは約20分で、一度だけ6831号機が少しひねって離陸しました。

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体験搭乗終了後、エプロンで展示の準備が行われた6831号機。6826号機は徳島へと帰っていきました。

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地上で展示されるTC-90。練習機の派手な塗装と青空がよく似合います。

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空の日フェスタも無事に終了し、最後に残った6831号機も帰投する時間に。

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エプロンを出て誘導路を進んでいきます。

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滑走路端で転回する6831号機。朝とは逆方向のRWY15を使用していました。

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夕日を浴びながら離陸していく6831号機。

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徳島へと帰っていきました。


・・・以上、割と乗ってみたい。鉄道員日記がお送りしました。

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