アジア太平洋トレードセンターにて
今年3月15日にアジア太平洋トレードセンターで行われたOSAKA防衛・防災フェスティバル。そこで撮影した陸上自衛隊の各種装備品を撮影順に掲載しています。
気がつけば前回の掲載から一ヶ月以上経ち・・・グダグダと他のネタを回している間にだいぶん経ってしまいました。前回は87式偵察警戒車を掲載しましたね。
今回掲載するのは82式指揮通信車。今までも何度も掲載している装備品であり、今回は対戦車ミサイルや迫撃砲と野外手術システムとの間で展示されていました。
82式指揮通信車は陸上自衛隊が保有している装輪装甲車で、戦後の日本の装甲車としては初めて装輪式を採用しました。1982年に制式採用、1983年から部隊配備が行われています。
名称の通り82式指揮通信車は各部隊の指揮・通信を行う為の車両であり、諸外国軍では同様の車両は既存の装甲車に通信機材を搭載して開発されることが多いのですが、こちらは当初から指揮通信車両として開発されています。
この82式指揮通信車は3軸6輪駆動の装輪式で、タイヤにはコンバットタイヤが採用されているためタイヤに被弾してもある程度は走行を続けることが可能です。
車体は均質圧延鋼板の溶接箱形構造で、車内空間は前方の運転室と後方の指揮・通信室に分かれており、エンジンが車体中央左側に搭載されています。前方と後方はエンジンの横を通る通路で繋がっています。
エンジンは305馬力のいすゞ製10PBY型水冷ディーゼルエンジンが採用されています。足回りは6輪独立懸架であり装軌式にも劣らない高い路面追随性と走破性を持っています。
また装輪式の最大の利点として路上で高速を発揮できるという点があり、82式は路上での最高速度が100km/hとなっています。
武装は機関銃を装備可能であり、車長用ハッチに12.7mm機関銃M2用の防楯付銃架があり、助手席の上部にも62式7.62mm機関銃・5.56mm機関銃MINIMI用の銃架が取り付けられています。
この82式指揮通信車の乗員は操縦手、機関銃手の2名と指揮通信要員6名の合計8名。操縦手と機関銃手は操縦席上部もしくは右側のハッチから乗り込み、指揮通信要員は車体後部もしくは左側ハッチから乗り込みます。
調達は1982年度から開始し、1999年度予算までに231両が調達されました。配備は全国の師団司令部付隊や普通科連隊・特科連隊、偵察隊の本部管理中隊などに行われています。
またこの82式指揮通信車をベースに87式偵察警戒車や化学防護車が開発され、82式の運用実績はその後の装輪装甲車開発に活かされています。
写真の82式指揮通信車は兵庫県千僧駐屯地の第3偵察隊に配備されている物。この日は87式偵察警戒車と共にアジア太平洋トレードセンターまで来ていました。
正面から撮影した82式指揮通信車。運転室の窓は大型の物を使用していますが、前方と左右共に装甲板を降ろすことが出来ます。
後方から撮影。側面にはハッチと指揮・通信室に3カ所の窓が設置され、何れも装甲板で覆うことが可能となっています。
後面。左右に燃料健康館がストックされていますね。中央部には大型のハッチが設置されています。
車体右側の側面ハッチ。操縦席のやや後方に繋がっています。
左側から撮影した前面窓用の装甲板。正面の装甲板には視界確保のためのスリットがあります。
タイヤ。かなりサイズの大きいコンバットタイヤが使用されており、水深1m程度であれば渡河を行うことが可能です。
赤外線ライト。赤外線暗視装置を使用した夜間走行の際に使用するライトです。
12.7mm重機関銃M2用の銃架。
冷房装置。カンボジアPKOから搭載され始めた物で、数両の82式がこれを搭載しているようです。
最後に説明書き。
・・・以上、書いたと思ってたら書いてなかった。鉄道員日記がお送りしました。