アジア太平洋トレードセンターにて
アジア太平洋トレードセンターで3月15日に撮影した陸上自衛隊の96式装輪装甲車を掲載します。同日行われたOSAKA防衛・防災フェスタで展示されていたもの。
96式装輪装甲車は陸上自衛隊が1996年に制式採用した装輪装甲車で、装軌式の60式装甲車と73式装甲車の後継として1992年から開発されました。
陸上自衛隊は既に82式指揮通信車や87式偵察警戒車と言った装輪式の装甲車両を保有していましたが、装甲兵員輸送車はなく、この96式が陸自初の装輪装甲兵員輸送車です。
開発を行ったのは小松製作所。小松製作所は82式指揮通信車から装輪装甲車を開発し続けており、96式装輪装甲車もその流れを汲む車両ですね。
車体は均質圧延鋼板の溶接構造で、小銃弾や砲弾の破片に耐える程度の装甲と思われます。車内には乗員2名と武装した隊員8名の10名が乗ることが出来ます。
車体前方右側に操縦手席、その後方に車長席、車長席の左斜め後方に小銃班長席、車体後部に後部乗員席があります。後部乗員席は4名掛けベンチシートを向かい合わせた配置。
エンジンは三菱製6D40直列6気筒液冷ターボディーゼルエンジンが搭載されており、5速ATのトランスミッションと一体化したパワーパックが車体前方左側に配置されています。
足回りは4軸8輪の全輪駆動で、タイヤが多いため地雷などで1輪を失ったとしても走行を続ける事ができます。タイヤ自体もコンバットタイヤであり、銃弾等に対してある程度の耐性を持ちます。
96式装輪装甲車は中央タイヤ圧システムというタイヤ内の空気圧を調整する装置を装備しており、路上と路外で接地圧や接地面積を変化させ走破性を向上させています。ステアリングは前方2軸。
NBC防護能力も有しており、空気清浄機から隊員のガスマスクに清浄な空気を送り込むことができるシステムを搭載しています。後部乗員席は73式装甲車よりも広くなり、クッションが内張りされたため車内の居住性と静粛性が向上しています。
この96式装輪装甲車にはA型とB型があり、装備可能な武装の種類で分けられています。A型は96式40mm自動てき弾銃を、B型は12.7mm重機関銃M2を装備します。どちらも車内から遠隔操作ができます。
イラク派遣の際にB型がサマワに持ち込まれており、ワイヤーカッターの追加などの改修が行われました。その後国際貢献仕様の「96式装輪装甲車(況拭法廚箸靴督潅されています。
況燭倭狃沈覆伴崢浩覆縫錺ぅ筺璽ッターと車長席のハッチ周辺に上半身を防護する装甲板を追加し、車体側面にボルト止めの追加装甲を装備する事が可能となっています。また従来はヒーターのみだった空調に冷房も追加されています。
調達は1996年度から始まり、現在までに373両が調達されています。配備は普通科部隊には北部方面隊の普通科連隊と中央即応連隊に行われており、その他機甲科・施設科・武器科・教育部隊などにも配備されています。
写真の96式装輪装甲車は滋賀県大津駐屯地の第3戦車大隊本部管理中隊に配備されている物で、国際貢献仕様の況燭任垢諭
上の写真とは逆サイドから。
左右後方から。後部兵員席の側面に窓が設置されているのが解りますね。
後面。後面には油圧式ランプドアがあり、通常はここから後部兵員席に乗降します。ランプドアの内側にはエンジン停止時も使用できる様に手動ドアがあります。
ハッチは各乗員席の上面にもあり、後部乗員席は4枚のハッチが備えられています。
車長用ハッチ。況燭覆里芭沼μ未冒暖弔追加されているのが解ります。また銃架は12.7mm重機関銃M2用の物ですね。
公道走行用風防。平時の公道走行時に使用される操縦席用の風防で、普通のガラスでできているため防弾性能はありません。また小銃班長席にも風防が取り付けられています。
風防はハッチを開けて固定した上で使用するため、風防使用時はハッチの開閉を行うことが出来ません。
ワイヤーカッター。写真は操縦席の前方に装備されている物。起倒式。車長用ハッチにも装備されていますね。
発煙弾発射機。車体後部の両側に4連装の発煙弾発射機が装備されており、対戦車ミサイルなどの脅威から身を守ることができます。
タイヤ。上記の通りコンバットタイヤで、このタイヤはブリヂストン製ですね。
最後に説明書き。
・・・以上、前に信太山で撮った事のあるナンバーだ。ef_end_63がお送りしました。