護衛艦しらね艦上にて
2014年7月26日に行われた舞地方隊展示訓練。そこで自分が乗艦した護衛艦「しらね」の各種装備品を掲載しています。
今回掲載するのは81式射撃指揮装置2型12。「しらね」の射撃指揮装置は以前72式射撃指揮装置1型を掲載しましたが、それと併せて搭載されていたのがこの81式射撃指揮装置2型です。
81式射撃指揮装置2型(FCS-2)は砲と対空ミサイルの射撃指揮を行う射撃指揮装置であり、開発は防衛庁技術研究本部と三菱電機によって行われました。
FCS-2は汎用護衛艦でも搭載可能で、砲と対空ミサイルの射撃指揮を兼用できる射撃指揮装置として開発が行われ、昭和45年度から昭和53年度にかけて開発されました。
最初の量産型として登場したのが写真のFCS-2-12で、その後砲の射撃指揮に特化したFCS-2-21や再び対空ミサイルの射撃指揮能力を付与したFCS-2-31が登場しています。
FCS-2-12は大型のレドーム内に追尾レーダーと警戒レーダーが配置されており、試作機の設計を基本としてミサイル制御部を追加しています。ミサイル誘導用の送信機にはMk73連続波送信機が使用されていますね。
海上自衛隊では護衛艦「むらくも」での試験搭載を経てはつゆき型護衛艦で初めて搭載され、はつゆき型ではシースパロー個艦防空ミサイルの射撃指揮にFCS-2-12が、76mm速射砲の射撃指揮にFCS-2-21が搭載されました。
当初はしらね型護衛艦から搭載される予定でしたが開発の遅延で間に合わなくなり、しらね型にはオランダのシグナール社製WM-25が搭載されました。
その後2004年に行われた改修でWM-25からFCS-2-12へと換装されました。これらのFCS-2は新たに調達された物では無く、たかつき型護衛艦が近代化改修で搭載した物を退役後に移設した物です。
FCS-2-12の光学照準器OPT-2-12。視認で発見された目標に対して照準するための光学照準機で、照準望遠鏡や整合望遠鏡、TVカメラ、レーザー測距儀などで構成されています。
FCS-2-12ではレドームを設けたために別に光学照準器が設置されていますが、FCS-2-21以降ではレドームを廃したのでレーダー部に併設されています。
・・・以上、「しらね」は「きくづき」からの移設。ぽっぽやがお送りしました。